台風4号が熱帯低気圧に変わった前後から天気予報通りとはいかなくなったこの数日。
今日もまぶしく照りつけているかと思えば、急に空模様が怪しくなったり、で
日傘を持つべきか、雨傘を持って出かけるべきか、悩ましいお天気でした。
今日は月に一度、午後から奥の点前の研究会の日。
夫のお昼ご飯の支度をして着物に着替えるために2階の自室で支度していると
「安倍元総理が狙撃されたよ」と夫が知らせに上がってきました。
びっくりして自室のテレビをつけNHKの報道番組を見ながら
心ここにあらず、で着替えを始めました。
日本でこんなことが起きるなんて。
衝撃的な事件が起きてしまいました。
奈良・大和西大寺での応援演説の後は京都入りされる予定だった、とニュースで知りました。
私は取り立てて自民党の支持者でも、安倍元総理の支持者でもないけれど
少なからずショックでした。
実は、実家の母が最初に入所した介護付き有料老人ホームには
入り口を入った正面に、その施設を運営する会社の理事長と安倍元総理が
がっちりと握手する大きな写真(パネル)が飾られていて、施設に行くたびにその写真を見ていたので何とも言えない気持ちで報道を見ていました。
どうやって着物を着たのか、それでも、気が付くと着替え終わって
草履を選び、お稽古バッグを手に階下へ降りていました。
今日の着物
濃い茄子紺色 絽の小紋
柄は雲取り
こうしてみると線で染められた柄は一色に見えますが
実際は白・黄・薄紅で線描されています。
ニュースに気を取られていたのか、
いつもならこの時期は麻の紋紗の長襦袢を着ることにしているのに
今日は洗える正絹の絽の水色の長襦袢を着ています。
この洗える正絹・絽の長襦袢は10年ほど前に8月の中頃、夏真っ盛り
ある窯元の先代の1周忌の法要に伴ったお茶会がお寺で催され
その際に(真夏の正装用の長襦袢も必要だろう)と誂えたもので
普段、お稽古などに着用するつもりの長襦袢ではないのですが
無意識に長襦袢を入れている引き出しから出してしまったんでしょうね。
帯は九寸名古屋、太鼓柄です。
柄の部分は絽綴れ織、それ以外の部分はすくい織という帯です。
すくい織は綴に似た技法で、主に紬糸を持ち手織った織物です。
木製の舟形をした織機用具の杼に緯糸を通して、経糸をすくいながら下絵の模様に織っていく技法で、綴織に近い織り方です。
帯締めは紺色に水色でポイント柄が入った細い丸組
今日のお稽古前の待ち時間の寄付きでは安倍元総理の襲撃事件の話で
奈良から通ってきているお仲間は
「西大寺を電車で通過してきたけど駅のホームも警備関係の人が警戒してました」と話されていました。
お稽古が終わって帰り支度をしているとお亡くなりになった、というニュースがスマホに入ってきて
奈良へ帰るお仲間に、皆口々に「道中、気を付けてね」とお声がけして解散しました。
当たり前の日常が、明日も当たり前にあると決まっているわけじゃない、
いつものように過ごせることはとてもありがたいことなんだ、と改めて感じた今日の午後でした。
安倍元総理のご冥福をお祈りします。