母の入院先の病院はコロナが5類に移行後も面会にはいくつかルールがあり、
面会時間は15分、前日までに要予約(ちなみに母が入院している病棟の面会日は月・木の指定)
少しでも大勢の人が面会できるように1度面会予約をしたら2週間後でないと面会予約できない、
などです。
ただ、以前と違って、病室で直接面会することができます。
昨日の木曜日、母と面会してきました。
意識不明に近い状態で入院した母でしたが、むらはあるものの、食事も自分で食べられるようになり、ちょっと目を離すと起き上がってウロウロしようとする、と看護師さんを困らせているようでした。
以前、転倒で腕を骨折し、足も弱っているので看護師さんたちが転倒をすごく心配してくださって、ナースセンターのすぐ前のお部屋に置いてくださっています。
面会の制限があり、実家にも特に用事が無いので今回は日帰りし、
今日は5月の研究会(奥の点前の特別稽古日)に行ってきました。
朝からいいお天気で、袷では暑いだろうと思ったのですが
何となくピンク系が着たくなったので袷の塩沢お召しを着て出かけました。
お召しは、将軍 徳川家斉 が好んで着たことから 「お召し物」お召しと呼ばれるようになったと何かの本で読んだ記憶があります。
柔らかもののように白生地を後から染める後染めとは違い、
糸の状態で染める、先染めの着物ですが、先染めの中では一番格の高い織物とされています。
撚りを強く掛けた糸で織った生地は凹凸があって、独特のシャリ感があるので
着ていてもさほど暑さを感じないのでは、と思ってこのお召しを着て出かけたわけです。
でも点前で風炉の前に座るとさすがに暑かったです💦
ピンクから紫、淡い黄色などはんなりした色合いのぼかしの縞の着物で好きな一枚です。
帯はいつもの呉服屋さんで見かけて、気に入って松葉仕立てにしてもらったもの。
一重蔓唐花の模様なのでしょうが、私は「クレマチス模様」と勝手に決めていて
5月に締めたくなる帯です。
帯揚げは、困った時の白。
淡い緑や薄紫、ピンク、黄色、水色など、手持ちの帯揚げをいくつか乗せてみたのですが、どれもなんだかぴんと来なかったので「白」にしました。
帯締めはあやめ色でところどころ、ポイントでつややかな糸が組み込まれた平。
もうそろそろ道中着も着るのが暑く感じるのですが、帰宅が午後6時頃になる予定だったので塵除けを着て出かけました。
何度かご紹介している茄子紺色の紗の塵除け。
元は祖母の着物だったものを仕立て替えてもらったもので、仕事をお願いした悉皆屋さんが
「ええ出来に上がりましたわ」と、まるで自分の手柄のように納品に来てくれたことが思い出すたびに可笑しくなります。
ちょうどお点前をしている最中に、水屋から私のスマホの着信音が聞こえてきて
一気に汗が吹き出しました。
着信音が母が入院している病院からの物だったからです。
お点前が終わってスマホを見るとやはり病院から。
でも留守録は残ってなかったので緊急ではないにかな、と思いつつ、
こっそり手洗いに行って電話を折り返してみました。
用件は、担当のお医者様から状態の説明と今後の方針について話があるから
来週の月曜日に来院してほしい、とのことで、ホッとしました。
帰宅後、夕飯を食べながら夫に「月曜日、病院に行ってくるね」と伝えたところ
「君も大変やなぁ」と。
父の晩年、最後の一年間ほどは何度、姫路と京都を往復したことか。
実家に2泊3泊し、京都に戻ったと思ったら、その夜に電話がかかってきて
翌日トンボ帰りでへ姫路へ、という事が最後の2.3ヶ月、続きました。
でも、父の時にはそんな往復も、つらいとも面倒だとも、疲れるとも思いませんでした。
あれから7年。
来月には父の命日がやってきます。