いえ、朝からの雨のせいではありません。
雨だけなら、雨コートに雨草履でお着物でお稽古に行くのですけれども、
今日は灰のお稽古日だったので洋服で参りました。
5月、風炉で使う灰を作るお稽古をさせていただきました。
風炉の灰を作る時はほど前かがみの姿勢で2.3時間。
緊張の連続なので気を緩める時が無く、作り終わるとまさに『精魂尽き果てた』という言葉がぴったり。
もちろん、ベテランの方や素質のある方は余裕でお作りになるのでしょうが
五徳を合わせて水平器で縦横両斜め、が平行になるように足元を調整したら
灰を入れて行き、峰を整えて、かきあげ灰を仕上げていくのですが、
せっかくきれいに整えた、と思った峰が、いざ筋を入れて行く段になると
とたんに姿が乱れてしまいます。
一番苦手な灰の形。


道安風炉 かき上げ灰
途中までは上手くいっていたのに……
先日の4月1日のお稽古の記事にも書いたのですが
私がお稽古している流派の4月は 釣り釜に旅箪笥
野点を楽しんでいるイメージでのお道具組でお稽古させていただくのですが
毎年、この時期に頂く主菓子(おもがし)は 二条若狭屋さんの「野弁当」
宗本家若狭屋からのれん分けを許され、二条小川に店を構えたのが二条若狭屋の初代です。
ちなみに、若狭屋は三条や七条にもありますけれど
いずれも宗本家若狭屋(本家は戦後、廃業しています)からののれん分けの店です。
↑ 野弁当(その年によって「野遊びです」とか「野弁当です」とか、
ご店主つけられた銘が変わってるのもご愛敬。
錦糸卵の下には道明寺を蒸した餅で粒あんを包んだものが入っています。
二条若狭屋さんの餡は常に安定の味。
椎茸に見えるのは黒糖の羊羹。
クリーンピースと紅しょうがはこなしで作られています。
お稽古に通う中での年に一度のお楽しみ。
それぞれの季節に、その時にしか頂けないお菓子を味わう事が出来るのも
お茶のお稽古を続ける理由の一つかもしれません。