月に一度の奥の点前の研究会の日でした。
いつもは午後2時からの開始なのですが(午前中は同じ社中の別の会の方が研究会をされています)灰の型を作る稽古のお当番の時には朝から宗匠のお宅に伺って
午後の研究会が始まるまでの時間、灰を作る稽古をさせていただきます。
研究会のメンバーは15名ほど、
その中でお仕事の関係などで午後からしか参加できない方をのぞいて、
灰のお当番は年に一度くらいの頻度でまわってくるのですが
前回から1年近くたっているので気持ちは(また一から)という感じで
何となく肩に力が入ります。
灰の稽古をする日は洋服で出かけます。
約4時間近く前かがみの姿勢でいることになることと、気を付けていても灰をつけてしまいそうになるので、もちろんエプロンはしているのですが着物で出かける勇気と気力が付いてきません(^^;)
初体験です。
他流派のことはよく存じ上げないのですが私がお稽古している流派では
土風炉の灰には仕上げにうろこ灰を撒きます。
まず、風炉の中に五徳を置き、左右上下斜めすべてを水平に保つ作業からですが
ここが一番緊張します。
風炉の中に少し灰を撒き、お釜とのバランスを考えて小さな瓦を三か所積んである程度の目安をつけ五徳を置いてみます。
釜を乗せて水平器を縦横両の対角線斜めの置き、すべての方向で中心が水平に保たれているか見るのですが、この五徳の位置と高さを決める段階が一番緊張します。
ここをしっかり合わせておかないと後の作業、すなわち出来上がりがぐずぐずになってしまうわけですね。
何事も基礎が一番大事。
五徳の位置が決まったら出来上がりの姿を思いながら灰を入れて行きます。
遠山灰
火を入れて釜をかけておく風炉(ふろ)の五徳の向こう側に、灰を遠山の形に、二つ三つあるいは五つ盛ったもの。
豊臣秀吉が摂津(兵庫県)有馬の温泉に入湯した際、湯の山の様子を賞美して、千利休に風炉の灰に写させたのに始まると伝えられている。
今回は大きな土風炉だったので山は三つ。
主爪のわずかに右に大の山、主爪から少し離れて左に中の山
右の爪の少し向こうに小の山、
手前側には峰美しく稜線を作ります。
まずはイメージした出来上がりに向けてどんどん灰を入れて行きます。
灰は点前のかわらけを入れる部分以外はふんわりと。
途中経過 大の山をもっと高くしないとだめですね。
ここから形を整えてきました。
遠山の形ができたらうろこ灰を作ります。
風炉に入れた灰は120番。
うろこ灰は150番の灰を乳鉢でもっと細かくすりつぶし
そこに水を噴霧して少しづつ練りながら具合を見て湿り方がちょうどよくなったら
乳鉢の縁に薄く薄く擦り付け、それを小さな灰匙でこそげ取って鯛のうろこのような形のものを作ります。
ここ、凄く根気がいるし疲れます……
作ったうろこ灰を撒いたところ。
撒くと言ってもそっと乗せる感じ、出ないとせっかく作ったうろこ状のかたまりが崩れてしまいます。
うろこ灰を作っては乗せ、作っては乗せ、しているうちに最初の頃にのせたうろこ灰が乾燥して色が白くなっていきます。
鶴首の波文の釜を乗せてみました。
ここまで4時間。
出来上がりを宗匠に見ていただき、「もっとここはこうして」「ここはよくできてますね」とご指導をいただきます。
「まぁ改善点はいくつかあるけど初めての遠山で4時間でここまで出来たら上々です」とやる気を繋ぐ感想をいただいてホッとしました。
昨日は端午の節句。
下鴨神社では「競馬(くらべうま)」の神事がありました。
茶室に入ると床の掛け物は「競馬」と題した歌のお軸
主菓子は粽でした。
炭・濃茶と稽古してその後、参加者の中から5名で花月のお稽古をしました。
5服で一回り、のはずが、花が二度あたって月が当たらなかった方と
月が二度あたって花が当たらなかった方が出てしまって(^-^;
結局6服点てることになってしまいました。
宗匠からは
「相客に心せよ、ですよ」と利休七則の言葉が出てお稽古が終わりました。
朝から午後6時まで、ほぼ正座。
帰宅して夕食の支度をしていると、(あれ?太ももの前が痛い)
えぇ、もう筋肉痛が出てきたの⁉
お茶会のお運びなどで立ったり座ったりを繰り返した翌日に
足が筋肉痛になることは時々あったのですが(コロナ以来お茶会が(社中のこじんまりしたものをのぞいて)一度もなかったので足が筋肉痛なんて久しぶり。
運動不足ですよね…… 少しは運動しないといけないわ。