ついこの間、お正月だったような気持ちでいるのに、
気が付けばもう、弥生三月。
今日は桃の節句です。
何度かここで書いていますけれど、私は兵庫県の姫路生まれ・姫路育ちです。
なので私のコモンセンスは姫路ベースでした。
京都に来て風習の違いに驚いたことはいくつかありますが、その一つに
雛飾りを飾る期間、もありました。
姫路(私の実家)では、お雛飾りは3月3日まで。
桃の節句が終わるとお雛様を片付けてしまわないと「娘が行き遅れる」と言われていました。
行き遅れる、とか、今考えると典型的なジェンダーバイアスですよね(-_-;)
でも、そういう風習があって、実家でも4日の午前中にはお雛様を片付けていました。
ところが、京都に来てみると雛飾りは3月いっぱい飾っているお宅が結構あるようです。
これは、京都が色々な行事・風習を旧暦で行うことが多いからなんだと思います。
旧暦は今の暦に比べると約一ヶ月遅い時期に当たるので
3月中、お雛様を飾るのは現在の2月から3月頭にかけて飾るという時期に等しいという事なのでしょうか。
さて、そんな上巳の節句の今日、お茶のお稽古に出かけてきました。
午前中、友人の作品展をのぞいて、その足で午後からのお茶の研究会に行ったのですが、
今日の着物は
小さな柄が飛び柄で入っているのですが、よく見ると お雛様や兜、菖蒲や短冊、菊などの柄が染められています。
袷仕立てなのでさすがに七夕や重陽の節句の時期には着ることはできません。
帯は塩瀬
見る角度によって淡く虹色に光るように見える地に
巻物の太鼓柄での帯です。
仕立ては京袋。
塩瀬の帯はしなやかですがハリがあって、しめると、きゅっ としっかり締まってくれるます。
帯揚げは辛子色に虹色の柄が織られています。
帯締めは一面は朱色一色、もう一面は緑と朱色が畝になって組まれた平。
先週(先月末)のおけいこの主菓子は季節らしく「ひちぎり」だったのですが
今日のお稽古も主菓子はひちぎり。
ただし前回のお稽古の時とは違うお店のひちぎりでした。
↑左 先週のお菓子、引千切 滑らかなくちどけの柔らかい菓子
↑右 今日のお菓子、ひちぎり 台の部分がこなしでしっかりした食感 少し硬めの台
どちらも画像はお借りしました。
お雛祭りのお菓子と言えば、菱餅やひなあられが定番のイメージですが
京都の菓子司ではどこのお店も3月はこのひちぎりを作って店頭に並べられています。
元は御所で食べられていた、お餅に餡をのせたもので、
お餅を丸めるのが面倒になって餅を引きちぎってその上に餡をのせて食べた、という御所の風習を模したお菓子で、台になっている部分が「ぴゅん」と飛び出ているのは
餅を千切った姿を表しています。
先週のも、今日のひちぎりも どちらもそれぞれ美味しいのですが
口触りが柔らかくみずみずしい物と、しっかりとした食感でこっくりしたお菓子、
どちらがいい、は 個人の好みですね。