10月も1週間が過ぎたというのに連日の暑さ。
庭の金木犀が咲き、そばの道路の街路樹の銀杏が落ちてきていても
毎日、最高気温30度の日が続いています。
が、今日は10月8日。
お茶のお稽古には流石に単衣を着ることが憚られ(私的なことでなら絶対単衣を着るところですけれど、お茶室へ入るとなると……)
で、手持ちの縮緬でも比較的しぼが小さく薄手の物を選んで着ることにしました。
ずっと若い頃の着物で身幅が狭くこの着物は仕立て直しの必要があるので
今日着てから呉服屋さんに洗い張りして仕立て直しをお願いすることにしました。
身幅が狭いとやはりお点前の時に着崩れしやすくて気になります。
着物は
菊を中心に、流水や笹、紅葉に松竹が染められた付下げ小紋です。
普通の小紋は反物に一方向に柄が入っているので着物に仕立てた時には後ろ身頃の柄はさかさまになるのですがこの着物のように前も後ろも柄が下から上へ向いている着物を付下げ小紋と言います。
ペパーミントグリーンの地に赤・抹茶色・藍色で柄が染められています。
若い頃はこの着物は紅型かな、と思っていたのですけれど多分違うような気がします。
いずれにしてもとても手の込んだ染のようです。
帯は塩瀬 黄土色に蝶が飛んでいる太鼓柄の名古屋です。
蝶の柄は本当ならお茶室には向かないのでしょうけれど(蝶は死者を連想させるから)
なぜこの帯をあえて結んだかというと
今朝、庭の水やりをしていたら黄色い蝶が3羽、土を休ませているプランターに停まって土の中の栄養(土に栄養分を補充するためにリン酸やカリを混ぜ込んでいます)を吸いに来ていたのを目にしたからです。
考え方によれば蝶は縁起が良い(私の故郷、姫路の初代城主だった池田輝政公の家紋は揚羽蝶です)ともいえるので今日は気にしないでこの帯を締めて出かけました。
太鼓柄の帯は前柄とお太鼓の柄を程よい位置に出すのが難しいので難儀するかな、と思ったら以外にすんなり一度で上手くいったようです。
帯揚げは白の冠組にしました。
今日は月に一度の特別なお稽古の日。
今月は軸飾りをご指導いただきました。
宗匠が用意してくださったお軸は伏見宮貞成親王の書かれたものでした。
室町時代の物で内容は重陽の節句に菊の花をみて詠まれた大和歌でした。
客は席入りした際にお軸が床の真ん中に立てかけてあるのを見ると
そのお掛物が「宸翰 しんかん」であるとわかり、拝見を所望します。
今日はお稽古ということでまず亭主役が美濃紙を切ってあて紙を作るところから始め、とこの真ん中に立てかけておき、お客が席入りするのを待つ、という順序でやっていきました。
お軸を拝見した後、「粗飯差し上げます」のご挨拶に
「宸翰の前で恐れ多い」と客が返し、亭主が掛け軸を飾った手順と逆に巻き戻し
元の位置に戻します。
その後(お稽古なので)粗飯はなく(笑)
炭点前・濃茶・薄茶と続いてお稽古を見ていただきました。
今月に入ってからのお稽古では栗のきんとんが主菓子に使われていて
それぞれお店によって味の違いはありますけれどどこの物をいただいても本当に美味しいです。
お稽古の際にいただく菓子司のうちの一軒の主菓子(お店のHPからお借りしましたがこの栗の子、すごくおいしかったです)
ちなみに左の画像、
写真左上:「糸菊」芋きんとん製
右上:「山土産(やまづと)」薯蕷饅頭製 栗入り
左下:「着せ綿」 芋練り切り こしあん、栗あん入
右下:「栗の子」 栗きんとん
こんなお菓子を楽しみに、お稽古の日は朝ごはんは果物とコーヒーだけを食べて出かけることにしています。