昨年は規模をかなり縮小しての、初釜ならぬ初稽古(と言いつつ初釜様式なのですが)
来年は会席付の正式な形式での初釜ができそうですね、と話していた昨秋ですが
その後、オミクロン株の感染が懸念される事態になって
やはり急遽、会席なしで、と決まったのが12月に入ってからでした。
初釜初日、いつもお稽古に上がらせていただく宗匠のお宅の玄関


根引きの松
「成長し続けていけるように」 「地に足がついた生活が送れるように」
そういう願いを込められている門松です。
京都だけの風習でしょうかお寺さんなどでもお正月にはよく見かけます。
毎年、会席は京都のお茶席を専門とするお料理屋さんが数人で来られて
台所で手際よく会席料理の支度をされる様子を見せていただくのも楽しみの一つだったのですが今年も会席代わりのお弁当を持ち帰っていただくことになりました。
そのお料理屋さん、少しでも作りたての物を、とのご配慮で各回のお席が終わる時間に合わせてその都度お弁当を運んでこられます。
会席がないと裏方は本当に楽をさせていただくことになり、今日も水屋は余裕を持って空気を読みながら仕事をすることができました。
今日の取り合わせ。
裾と袖にぼかし染の入った訪問着。一つ紋付
画像ではぼんやりした印象ですが実物はもう少し色がはっきりしています。
帯は昨日の記事にも書いた唐織で宝相華の紋様の袋帯。
かなり派手な帯ですが着物がこれくらい控えめだとこんな帯でもいいかしら、と結んで行きました。
いい帯ね、と水屋で一緒に働く方に褒めていただけて嬉しかったです。
帯締めはかなりボリュームのある代わり平組
黄色と水色の中に畝のように金の糸が組み込まれています。
帯揚げは縮緬で淡いクリーム色に金で宝尽くしの刺繍の入ったもの。
この帯揚げはなんだかんだで出番が多いです。
と、いうことは私はこの帯揚げがお気に入りなんだと思います。
初釜の楽しみの一つに、年に一度、二年・三年に一度お目にかかれる方のお顔が見られることがあります。
今日も、以前は京都でお稽古され、その後 鎌倉に越され
久しくお会いできていなかった方とお会いすることができました。
その方が鎌倉からご持参くださったお手製のきんとん
なんて細かな作業なんでしょう。
色も新春らしい紅梅色と萌黄色
こんなお菓子を手作りされて鎌倉から新幹線でお持ちくださるにはきっと昨夜はほとんど寝ずにお越しになったのだと思います。
作りたてのきんとんの柔らかく、中に包まれた漉し餡の滑らかで上品な甘みに幸せをいただきました。
このお菓子は水屋でどうぞ、とお持ちくださったものなので今日 水屋に入った者だけが幸運にもいただけました。
(主菓子はもちろん、宗匠がご準備されたものが茶席に出されました)
さて、明日もお水屋と、午後の最初のお席に入らせていただきます。
うーーーん、何を着て行きましょう……