昨日、初釜水屋を終えて帰宅後、バタバタと夕食の支度をし
ホッと一息、夜 TVをつけていましたら今日庵(裏千家)さんの初釜の様子がニュースで流れていました。
ご当代が立礼卓でお点前をされ、ご先代の大宗匠がお運びをされているご様子で
ご招待の面々は皆さま著名な方なのでしょうけれどさぞ緊張され、また光栄に思われたことだろうと拝見しました。
藪ノ内さんも昨日が初釜初日だったようです。
私のお稽古する流派の家元初釜は来週ですけれど東京で感染者が急増している中、
何とか無事に、と願わずにはいられません。
社中の初釜は今日が中日、二日目でした。
午前中、お水屋に入り、午後の最初の回に席入りさせていただきました。
小間では年に一度、宗匠の練ってくださる濃茶を頂ける幸せ。
腰掛待合から露地を通り、蹲を使って躙り口より席入り。
皆が拝見を済ませ落ち着いたタイミングで障子の外に掛けられていたすだれが外され、同時に目が慣れてきて燭台の灯りだけでも茶室の中がはっきりと見えてきます。
ほどなく宗匠が入室、ご挨拶の後、静寂の中で釜鳴を聞きながら
流れるような手さばきで点前を始められ、濃茶を練る茶筅の音を聞いているのはまるで別の世界に入り込んだようで、毎年のことながら感動します。
初釜で頂く濃茶はご当代のお好み
薫り高く、まったりと濃厚でまさに甘露。
今年も昨年同様、大ぶりの片口で人数分を練られ、銘々の茶碗に分けて出していただきました。
お茶の感想やお道具のお話など伺う頃には緊張もほどけ
ただただ楽しいばかり。
名残の拝見を済ませ入ってきた露地を通って広間の茶室へ移動すると
薄茶席を担当されるのは宗匠のお嬢さんお二人。
これも毎年恒例で、お二人ともが小学生の時から薄茶席を受け持たれ
あっという間に干支のお茶碗が一回り以上になりました。
さて、今日は席入りもさせていただくので少し明るい着物を、と取り合わせたのは
裾に少しぼかし染めの入った空色の訪問着。
松や梅、菊などの柄部分は総刺繍です。
本当はお茶席に刺繍の着物は向かないのはわかっているのですが(正座したり、にじって動いたりするので刺繍が傷むから)私はどうも刺繍の着物が好きなようで
(これ素敵!)と選ぶものは刺繍の柄物がついつい多くなってしまいがちです。
松の古木に槍梅と菊がおめでたい感じで初釜には向いていると思うのですがいかがでしょうか。
帯はお気に入りの1本で、黄色から紫にかけてのグラデーションで
菱の中に唐花や菊のような文様が折られている六通の袋帯。
割合にどんな着物にも沿ってくれるので重宝する帯です。
帯揚げは淡い黄色で七宝の柄が織り出された唐織
帯締めは金糸とプラチナ箔の糸で組まれた平。
席入りの際におみやげに、と頂いた会席代りのお弁当
席入りの後、次の回の水屋に入って帰宅が8時前になったのでお夕食に美味しく頂戴しました。
明日が最終日、粗相なく無事に務められるよう頑張ります。