お稽古のお仲間が茶室を作られました。
今月末に社中を招いて茶室披きをしてくださることになり
力不足ながらその水屋のお手伝いをさせて頂くことになりました。
一緒に水屋に入るお仲間と、「着物はどんなものがいいかしら」という話になり
やはり格のある紋のついたものがいいのでは?
一つ紋の色無地では少し大人しすぎない?
など、嬉しい悩み。
出ず入らず
このような場面でのお手伝いとしてふさわしい着物は
紋のついた訪問着かしら、とのあたりで話が落ち着きました。
そこで手持ちの紋付から、選んでみたのがこちら↓
鶸色の地に枝付きの小花があっさりと描かれた友禅の付下げです。
背に一つ紋が入っています。
付下げですが紋は日向紋なので格としては正礼装としての扱いになるのでしょうか?
ずっと以前に一度だけ袖を通した、とても控えめな柄行の一つ紋の色留袖があり
紋の数が少ないのでそれでもいいかな、と思ったのですが
お仲間でお姉さんの立場にある人から
「ご亭主が色留を着られるかもしれないからそこは一つ控えて
でも格は上げて」
ととても難しいアドバイスをいただきました(T_T)
先日の即位の大礼の一連の行事で洋装の格や着用する時間帯など
とても興味深く諸外国の来賓の方や皇室の方々のお衣装を拝見することが出来て
貴重な機会でしたけれど
洋装同様に(いや、もしかしたらそれ以上に細かく)和装の格は難しいですね。
留袖・色留袖・訪問着・付下げ・色無地
それぞれに紋の数や紋の種類によって格が上がったり下がったりします。
私の手持ちの着物は基本的には垂れもの(やわらかもの)
それはお茶に関係する場面で着ることが圧倒的に多いからです。
ちょっとしたお出かけなどに着る織の着物は数えるほどしか持っていません。
まれに紬の訪問着や織の着物に紋が付いたものを見ると
どういう場面で着ることを想定されて作られたものなんだろう、と
着物のルールもよくわかっていないことがたくさんあります。
60才を過ぎても「こういう場合はこう!」と自信をもって答えることが出来ない場面がいくつもあって、いまだに、一つ経験するごとに勉強させていただくことばかりです。
後になって、(あぁ、私ったらあの時こんなことをしてしまった)と
思い出しても顔から火が出るような恥ずかしい、
常識を外したことをしてしまったことも一つや二つではありません。
お茶のお稽古をさせて頂いていることで、そういう事も一つ一つ教えていただける環境にあることをとてもありがたいと思います。