金曜日に続いて今日もお茶のお稽古日でした。
私ったら、うっかりもいいところで今日のお稽古は薄茶の枠を取っているとばかり思いこんでいて(茶杓の銘をなんとしょう)と考えていたのは昨日の記事にも書いたことですが、
本日、お点前の順番が回ってきて宗匠から「次、こと子さん。濃茶やね」と言っていたいてもまだなお「えっ?薄茶です」などと答えてしまう有様でした。
とにもかくにも、濃茶と言うことで水屋に向かいお茶入に濃茶を人数分準備し
その間に水屋手伝いの方が銘々皿にお菓子を盛り付け、お茶碗などを揃えてくださいました。
コロナ以降、お菓子は連座している方々の分を一つの器に盛ることは無くなり
すべて銘々皿でお出ししています。
お茶碗も、お薄のみならず濃茶の場合も人数分練ったお茶を注ぎ分ける、と言う方法でお稽古しています。
濃茶の注ぎ分けのためのお茶碗のセットを宗匠が考案され、社中の陶芸家さんが試作を重ねられて、コロナ以降は濃茶もそのセットでお稽古するというスタイルが我が稽古場では定着しました。
↓こちらは参考画像ですが、まさにこういうスタイルです。
(丸久小山園さんのHPの画像から)
大きな声では言えませんがあまりに同じなのでもしかして真似られた?と思ってしまうほど。だってこちらの茶舗さんともお付き合いがあるわけで……(^^;)
コロナの最初の頃、回し飲みを辞めるにあたって、最初は濃茶も各服点にしていました。
ところが、濃茶と言うものは一人分だけでは上手く練ることができないんですよね。
お湯の量の加減も難しいし、しっかりと美味しく練ることが本当に難しい。
それにお客様全員分をそれぞれ練っていては時間もかかってその後の流れがおかしくなってしまう、
そこで考え出されたのが片口で練って銘々碗に注ぎ分ける、という形での濃茶点前だったんです。
話を元に戻しましょう。
宗匠から指摘していただいて濃茶稽古だったと気が付いて、
気持ちは焦りつつも、さも何事もなかったような顔をして茶入を飾りに出ました。
今月のお棚は紹鴎棚
武野紹鴎好みの大棚です。
地袋の前に茶入を置き、向かって右側の小襖を開けて水指を茶杓が通うほど出して
お菓子を持って出ます。
お点前が進んでお正客から茶碗が戻った段で茶碗の銘の問いがありました。
さぁどうしよう、昨夜考えていた茶杓の銘は薄茶を想定しての軽い物だったので一瞬言葉に詰まりそうになりながらも出てきた言葉が「弥栄(いやさか)」
茶入 仕服 茶杓 の問答ではお正客が茶入の銘のお尋ねを控えてくださったので
(助かった)と思いつつ、茶杓の銘は「祝い唄」とさせて頂きました。
さて、今日の着物は
若竹色の江戸小紋 光沢のある縮緬の地紋にツタが入っている上に鮫紋様が染められたもの。
紋は入れていませんがこの着物を着ると少し改まった気持ちになります。
合わせた帯は川島
銀箔の地に、金と銀の切箔で色紙紋様が入っています。
帯の色目と文様で着物の格を少し上げたいと思ってこのお取合せにしました。
帯締めは道明の奈良組 丸胡蝶
今朝の京都は小雨が降っていて少し冷えていました。
明日からの三日間は雨の予報。
残った紅葉もいよいよ見納めになりそうです。