日が長くなりましたね。
ほんの少し前までは夕方5時を過ぎるとあっという間に
あたりが真っ暗になっていたのに
今は6時を過ぎてもまだ明るいです。
同じ時間でも日が暮れるのが早いとなんとなく気忙しく
外出などしていた時には(早く帰らないと)と気ばかり焦ります。
今日は美容院へ白髪のリタッチとカットに行ってきました。
我が家のリビングにはメモを書き込める大きなカレンダーが吊ってあります。
そして、それぞれの予定を書き込むのが長年のルールになっています。
夫は黒、私は赤のペンで、
例えば《K・夕食不用》 《こと子・皮膚科 〇〇時~》という風に。(Kは夫のイニシャルです^^;)
昨夜の事。
「私、明日美容院の予約入れてるからお昼前に出かけるわ」
(↑ だからお昼ご飯は適当に食べてね、という意味が含まれています)
「あ、明日の晩御飯いらないから」と夫。
(えっ⁉ カレンダーに何も書いてないし! いいけどさ……)
「そうなの、何かあるの?」と尋ねると
「お客さん来るし、晩飯付き合わなあかんねん」
(そんなら早く言ってよね、わかってたら友達と約束とかできたのに)
と色々思う事を呑み込んで、笑顔でいた私をちょっとだけえらいと思いました(笑)
ところで、今日のタイトルの件。
美容院が済んで、ついでにデパートへ。
そろそろ暖かくなってきたのでストッキングを買いに行きました。
私はなんとなくパンツスタイルが苦手で
家に居る時も外出する時も基本スカートです。
冬の間はタイツを着用していますけれど、そろそろタイツでの外出が憚れる気分になってきました。
お気に入りはランバンコレクション、いつも色はアルベールを買っています。
ストッキングを買って地下に移動しようとしていた時の事、
館内放送で「掘り出し大着物市」をイベント会場でやっていると案内が入りました。
着物?掘り出し?
ちょっと覗いてみようかな、と思ってはいけないことを思ってしまいました。
気の迷い、というやつですね。
7階へ上がってみるとかなりのスペースを割いて呉服の特設会場がありました。
手頃な名古屋帯でもあれば買ってもいいかな、と思いぶらぶらと見ていると
何とも言えない絶妙な色の江戸小紋が衣桁にかかっていたんです。
後でわかったことですが、その着物が目を引いたのは
わからないほどの細かい地紋が入った反物に針の穴で突いたほどの
伊勢の角通し。
染の色合いに地紋が、見る角度によって見え隠れしているからでした。
最初に淡い赤で染め、その上から淡い鈍色をかけて二度染めし
八掛もありがちなぼかしではなくて同じ染で
鮫小紋の柄にしてあるものがついていて下前には染師と
伊勢型紙の彫師さんの名前と落款が入ったものでした。
ぼんやり見ていると、音もなく係の方が隣に立って
「素晴らしいでしょう、こんなお値段では出てこないものですよ」
(すばらしいです、値札は見ていないけれど)
「ちょっと当ててごらんになって」と声を掛けられるのに
「寸法が合わないと思います、私、裄が長いし身幅も……」と言い訳に逃げにかかると
敵もさるもの
「この着物、お見立て会の展示用に仕立てたものなのでサイズもゆったりなんですよ、
お客さま、身長は?163㎝くらい?」
げげっ (・_・;)
恐ろしい、ピタッと当てられました。
ベテランの呉服販売員さん、恐るべし。
「身幅もお客さまならちょうどくらいですよ、何千人とお見立てしてきた私にはわかります!」
と。
そこで止めればいいものを
雰囲気に押されて羽織ってみることにしました。
洋服の上から簡易半襟をつけて
紐二本で着付けてみると、なんとまぁ、まさにマイサイズ。
それに、鏡の中の様子を見ると
自分で言うのもなんですが、すごく似合う色だったんです。
そのうち、ベテランさんはその着物にぴったりの帯を持ってきて
巻きつけると、
流石ベテランさん、お金の心配をしなくていいのならもうそのまま
買って帰りたいほどの組み合わせ。
ほんの少し(買ってもいいかな)と
袖付けの根元についた値札をそっと見てみると
掘り出しなんかじゃありません、思いついて買えるような値段ではありませんでした。
ベテラン販売員さんに加えて、男性の店長さんまでが電卓片手にやってきて
消費税分はお引きします、と。
いやいや、それでも衝動買いできる値段じゃない。
「ちょっとお茶を飲んでよく考えてきます」
何度も何度も引き留められ、
ほんとにお似合いです、と言われながら着物を脱いで
売り場を離れました。
思ってた金額と桁が一つ違ってたんです(汗)
あぁ、うっかり油断してとんでもない衝動買いをするところでした。
そそくさと特設会場から離れ、
自分一人のための夕食用に、と地下で少しデリカテッセンで買い物をして、
ついでにケーキを一つ、買って帰路につきました。
夫の分のケーキは買わなかったのって?
買いませんでした。
だって、何時に帰ってくるかわからないし、ケーキは
『本日中にお召し上がりください』
だったんですもん (笑)