11月になりました。
カレンダーをめくって……
あっという間に今年もあとふた月になったことを実感しました。
なんだか年々、時が過ぎるのが早くなっていくみたい。
私が生まれ育った地域は『晩秋の秋祭り』と言って10月になると播州地方の海沿いの神社で連日のように祭りが行われるのですが
今年も昨年同様、神事のみが執り行われ宮入(各氏子地域が屋台<やったい、と発音します>の練り合わせ、宮の境内へ屋台を持って入る台場差しなどはすべて取りやめになりました。
例年、祭りの日には実家に親戚一同が集まるのが習わしだったのですが
コロナの影響で祭りが中止になり、その間に実家で一人暮らししていた母が施設に入居したので、後になって考えると2019年の秋祭りが、一族が集まった最後の祭りになってしまったわけです。
ちょっと感慨深いような……
さて、と。
11月。
と言えば、お茶の世界では炉開き
5月~10月の間、畳の下で息をひそめていた炉が姿を現し、
初夏に取れ茶壷の中でじっとその時を待っていた茶葉の、壺の口が開かれて外の空気に触れる、口切の季節です。
お茶の世界の正月、と言われています。
今年、私がお稽古している社中では明日、社中の茶会を催します。
公の、ではなく、社中でのお稽古仲間による茶会です。
毎年、お稽古仲間の誰かが順番で席主を務め皆でお客をさせてもらうといった趣向のお茶会。
昨年はコロナ禍と言うことでやむなく中止せざるを得なかったのですが
今年はやっと、例年通りの社中茶会を開くことができる運びになりました。
と言っても、お菓子をいただいたりお茶を服するとき以外はお稽古の時と同じようにマスク着用、懐石は無し、
お茶室には医療機関で使用されている高性能の空気清浄機を2台置き
寄り付きと広間の茶室を開け放って人数も少なく、十分間隔を取ってのお茶席になります。
希望者が多くて当初の予定より数席、増やすことになりました。
私は午後の一番の席。
明日、着る予定の組み合わせをあれこれ考えてみました。
着物はすみれ色の江戸小紋、角通しです。
訪問着にしようかと思ったのですがお社中の気軽なお楽しみ茶会でなことと、
今月、正式なお席にお呼ばれしているので訪問着はその時に、と
明日は江戸小紋にすることにしました。
画像上左 正倉院宝物の柄を模した袋帯 綴れの太鼓柄、模様は螺鈿細工です。
hibinokurasikata.hatenablog.com
画像上右 唐織 タレの内側に「御所の庭」と帯の名前が織り込んであります。
画像下左 菊に観世水 帯の上下を逆さまにしてしまっていたことに今気が付きました(汗)
画像下右 唐織 変わり菱紋
この4本の帯を合わせてみました。
下の2本はすぐに却下。 ちょっと雰囲気が(これじゃない)と言う感じでした。
で、迷ったのは上の2本。
御所の庭も悪くはなかったのですが、ちょうど今、奈良国立博物館で「正倉院展」が開催されていて
今回出品されている『螺鈿紫檀阮咸』の螺鈿紋様に少し雰囲気が似ているという理由で
正倉院宝物文様の帯を締めていくことに決めました。
次に帯締めを選び
同じような色目で面白みはないけれど柄を邪魔しないかと思い一番上の
白と薄紫と薄茶と金色の編み込み平組に。
そのあと帯揚げ
左の紫のちりめんだと少しくどい感じ?
右のは薄緑の絞りです。
袋帯を結ぶのは今年の稽古始め以来。
袋帯の棚から帯をあれこれ出して畳紙を開いて着物に乗せてみるのも1月初め以来です。
少し心が浮き立ちました。
どうぞこのままコロナ感染が落ち着いて終息に向かってくれますように。
予防のワクチンだけでなく、治療薬の治験が進んで臨床の場で使えるようになりますように。