こと子の日々の暮らし方

夫婦と猫3匹との平凡な暮らしを日記代わりに綴っています

神護寺から西明寺・高山寺へ

神護寺を後にして清滝川沿いにゆっくり歩いても10分はかからない距離の

三尾の一つ、西明寺(さいみょうじ)へ向かいました。

 

ja.wikipedia.org

 

西明寺空海の高弟、智泉が神護寺の別院として創建した寺伝にあることが

パンフレットに書いてありました。

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本堂前には見事な紅葉が。

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こちらの本堂(というよりも寺院そのものが)何度も兵火や災害によって消失・荒廃したそうですが、現在の本堂は桂昌院が寄進したということだそうです。(諸説あり)

桂昌院と言えば京都市北区大徳寺付近の生まれで一説には西陣の八百屋の娘だった、ということで現在、今宮神社の境内には桂昌院の記念碑が建てられていて

「玉の輿」の語源と共にその経歴が紹介されています。(桂昌院の名前が玉さんで

輿に乗って大奥へ上がったから)

 

その本堂にはご本尊の釈迦如来像が運慶作、として祀られていました。

(ここだけの話、一目見て、運慶?という感じでした…… 第一印象は、嵯峨の清凉寺に伝わる清凉寺式釈迦の影響を大きく受けている印象で慶派の作というにはあまりにお顔の表情が……)

鎌倉期の木造で重文指定と受けています。

脇陣には平安期の千手観音

反対側の脇陣には鎌倉期の愛染明王が御厨子に入って祀られていました。

何度も火災にあったり御守する人がいなくなって荒廃していた時期のあるお寺ですから祀られている仏像も本来はどこか別のところにおわしたのかもしれないな、と思いました。

ですが、ご本尊のお釈迦様の御厨子がそれは見事で美しい装飾で彩られ

天女が描かれているのが目視できるほどに残っていましたし

愛染明王は迫力があってそれはそれは素晴らしい仏さまでした。

 

こじんまりとしているけれどとても落ち着くお寺で

境内のベンチをお借りして持参したおにぎりとお茶でお昼ご飯を済ませました。

 

おにぎりを食べて元気が出たところで西明寺から今度は高山寺へ歩きました。

徒歩で10分から15分程度の距離だったでしょうか。

 

高山寺はかの有名な鳥獣人物戯画絵巻で知られたお寺です。

ja.wikipedia.org

 

高山寺神護寺で修行をしていた明恵上人が荒れ果てていた院を

学問をする場として入山し、栄西禅師から譲り受けたお茶の種をまいて

日本で初めての茶園をつくり栽培したことから「茶の発祥の地」とされています。

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お茶室は拝観することができませんでしたが柵越しに茶園の様子を見ることはできました。

高山寺は(哀しいことに)明恵上人時代唯一の遺構、石水院以外は整備が行き届いていない様子でした。

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このパンフレットに写真が使われている、楼門を入ってすぐの菱に並べられた敷石、

高校時代、京都に旅行に行った同級生がお土産に、と絵葉書をくれたその写真と同じで

門をくぐってこの風景を見た時にはなんだか懐かしい気持ちになりました。

 

石水院にはあの有名な明恵上人が木のまたで座禅をしている絵(紙本著色明恵上人像 -「樹上座禅像」)のお軸がかけられていました。

また縁のガラスケースの中に、現在は東京国立博物館京都国立博物館に二巻ずつ委託されている鳥獣人物戯画(紙本墨画鳥獣人物戯画 )のレプリカが展示されていました。

鳥獣人物戯画は十数年前に京博での『国宝 大絵巻展』で実物をじっくり観る機会があって、高山寺に展示されているレプリカはその展覧会の際に展示されていた一番有名なシーンの物でした。

 

石水院に展示されていた子犬

湛慶作ということですが明恵上人が愛玩されていたものだそうで

こちらはたまらなくかわいかったです。

出来ることなら連れて帰りたかった(連れて帰ったら捕まります)

 

それら以外にも高山寺は数多くの国宝・重文を持っているのですが

現在はそのほとんどのものを各地の博物館に委託されています。

 

手入れがなかなかいき届かない様子が見て取れた高山寺でしたけれど

収蔵庫を作って寺宝を寺に戻し一堂に眺めることができるようになればどんなにか素晴らしいだろう、と

そんなことを想いながら下山して帰路につきました。 

 

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