夕方の京都ローカルニュースでは春には桜の開花状況、
秋には紅葉情報が紹介されます。
いつになく速い紅葉の今年、11月初旬には「高雄」に紅葉見頃のマークがついていました。
秋の初め頃に
「今年は高雄へ向かう道もさほど渋滞していないかもしれないから平日を選んで紅葉を観に行こうか」と夫婦で話をしていたので
散ってしまわないうちに、スケジュールを調整して出かけたのが11月10日。
珍しく道も空いていて駐車場にも十分に空きがある状態でした。
ちらっと見たところ、止まっている車のナンバーは大阪と名古屋がとても多くて
品川ナンバーもちらほら。
他に、路線バスに乗ってこられた私と同年代っぽいご婦人のグループや
年配のご夫婦が多かったです。
長着に羽織姿で足元はブーツをはいた若い男性が一人で来られていて
この日はほぼ私たちと同じルートをまわっていたので行く先々で一緒になりました(^^)
Wikipediaにもあるように神護寺は京都市内の西北、愛宕山系の高雄山にある真言宗の寺院です。
開祖は和気清麻呂
京都・御所の烏丸通りを挟んだ西側にある、和気清麻呂をお祀りしている『護王神社』は元はこの高雄山中の神護寺にあったものを現在の地に移されたそうです。
また、空海が唐から戻って入京が許可された際に最初に入ったお寺としても有名です。
長い長い石段を上って楼門をくぐると目の前に見事な紅葉が見えました。
金堂に入り国宝指定されているご本尊の薬師如来立像に手を合わせ
堂内におられた寺男さんにそれぞれのお像の年代を伺うと
本尊の薬師は平安、日光・月光は鎌倉、十二神将はおそらく室町の作ではないか、ということでした。
ご本尊以外にも神護寺は多くの国宝を所有されていて
社会の教科書で有名な 『絹本著色 伝 源頼朝像』 (私の頃の教科書には「源頼朝像」となっていましたが近年の研究では足利尊氏など別人の肖像ではないかという説があり現在は国宝でありながら「伝」となっています) や
五大虚空蔵菩薩像、高雄曼荼羅、絹本著色釈迦如来像、それに空海自筆の灌頂歴名などがあります。
このうち、五大虚空蔵さんは以前に特別御開帳があった時に拝見していて
京都国立博物館に寄託されている灌頂歴名・絹本著色釈迦如来像は以前に京博の展覧会で見せていただいたことがありました。
金堂で手を合わせたのち、寺内をまわり和気清麻呂廟、大師堂とまわって
かわらけ投げをする広場へ出ました。
神護寺はかわらけ投げ発祥のお寺。
昔、お灯明用の油を入れていた皿(かわらけ)が古くなると
新しいものに入れ替え、その古くなって捨てるかわらけを
その頃のお坊さんたちがこの場所から清滝川の深い谷に向けて投げて遊んだことから始まったのだそうです。
現在はその遊び(厄除け)のために茶店で小さなかわらけを販売しています。
夫と二人、三枚ずつ投げてみました。
コツはかわらけの皿を俯けて、つまり字の書いてある方を下に向けて投げることです。
私たちが投げた後に素晴らしく上手なおじいさまがいて
その方が投げたかわらけは風に乗ってはるか彼方へ飛行していて
思わず周りの人たちから拍手が起こっていました。
関東の方には馴染みがないかもしれませんね、ひやしあめは
水あめをお湯で説いて生姜の汁をピリッと効かせた飲み物で夏場は冷やして、
寒い時期には温かくしてあめ湯と言って飲むのですが喉にとてもいい感じがします。
私たちが冷やしあめを飲んでいると同年代と思しきご夫婦が
「ひやしあめって何だろう?」って話されていました(笑)
ひやしあめで一休みした後、清滝川(きよたきがわ)沿いに歩いて西明寺までいきました。