10月、11月はお茶のオンシーズン。
京都の町のあちこちでもまるで日替わりのように
(時には同日に)お茶会が開かれています。
他流でお茶のお稽古をしている友人から
「たまにはいいじゃない」とお茶券をいただき、ありがたくお茶会に出かけてきました。
他流派のお点前やお客さまの所作を見せていただくことはとても興味深いです。
見るものすべてが(へぇ~、こんな風にするんだ)と思う事ばかり。
逆に言えば、他流派の方が私のお稽古している流派の様子を見たら同じように感じられる、と言う事ですよね。
美しく美味しい季節の様子を写したお菓子をいただき
一服のお茶をいただいて、素晴らしいお道具を拝見。
そういえば黒木華さん主演の『日日是好日』の中で師匠の樹木希林さんに連れられて
お茶会に出かけるシーンがありまして
その中でお正客の譲り合いをするシーンがありましたけれど
あれ、そう大げさに描かれているわけではなくて
実際にお茶会に出かけるとやはりああいう風にお正客の譲り合いがあるのです。
大抵は納まるべき形に納まってお点前が始まるわけですが
時々、まったく何もご存知ない方が何も知らないまま正客の座についてしまい
とても気の毒なことになるときがあります。
この日、私が入れていただいたお席でも
「どうぞお正客を」と言われた方(おそらくは大ベテランの先生でしょう)が
「何もわかりませんので」と一旦お断り(まぁこれもお約束のようなもの)をされたら
「何もわからない、ということがなぜわかるのですか」というような
亭主側とお客との禅問答のようなやり取りがありました。
少しの緊張と、たのしいお席をまわった後の
これは本当にリラックスしきっての点心席
季節の栗の蒸し寿司と美しく盛り付けられた縁高
汁物もとても良いお出汁の香りでした。
お茶会に出かけた日はいつも、夜には心地よい疲れを感じながら床に就きます。