東北に、また大きな地震がおきました。
11年が過ぎて、ようよう地震後の生活に慣れ、日常が戻ってきたとお感じになっていた方も大勢いらっしゃるだろう中での地震。
どうぞ、心が折れてしまっていませんように、とお祈りするしかできない歯がゆさを覚えています。
夫の研究者仲間の方が岩手や福島にいらしたり、私のお稽古仲間や大学時代の友人が
やはり盛岡や名取で暮らしていて、地震後に連絡が取れない間、ずいぶんと心配をしました。
非常の中にいる相手にSNSなどであまり連絡を取るのはよくないとは思いながらも
「無事です」の一言が欲しくて連絡を取ってしまいました。
今日はお茶のお稽古日だったのですがくす玉模様の小紋を着て行きました。
くす玉ーーー薬玉・久寿玉
最近ではイベントなど、おめでたいシーンで割られることが多い縁起物のように扱われることが多いようですが、本来は薬草などを詰めた錦の袋を花や五色の糸で飾り付けた魔除け、また無病息災・延命長寿を願うものです。
そんな気持ちで(自己満足もいいところですが)この着物を選んでみました。
墨色くす玉模様の小紋 八掛は薬草色のぼかし(これも誰にもわからなくても、の自己満足の極みの八掛です・汗)
帯は西陣織、桜の花がデザイン化されて織り出された九寸名古屋。
とても柔らかい帯で締めていて楽なのですがお太鼓がへにゃっとなりやすい難点があります。
帯揚げは銀のラメ糸と甕覗き色の変わり織
一か所、花の刺繍が入っています。
この刺繍の部分を中央の結び目の左側に出したかったので帯枕に帯揚げを掛ける際には
右に大きくずらして刺繍の出る位置を調整しました。
若干名前に偽りあり、です(笑)
今日のお稽古は台調べ(他流では貴人点てと言うのでしょうか?)
白木の天目台を使ったお点前です。
同じく天目台を使う点前に台天目があります。
こちらは黒漆の天目台を使うお点前。
同じ天目台を使ったお点前ですが、前者はお客様に敬意を払った点前、
後者は格の高い茶碗に添わせるための天目台、と、簡単に言えばそんな感じでしょうか。
同じような名称・点前ですがいただく側の作法が違っていて、時々お稽古していないと
(亭主・客とも)手順を忘れてしまいそうになります。
ましてやコロナの中で濃茶の回し飲みができなくなってからは連客の作法も(どうだったかな……)となりがち。
もしかしてあと十年もすると
「昔は濃茶は回し飲みしてたのよ」なんて話をするようになってしまうのかもしれません。
お稽古に行く途中、梅の花と花桃の花と早咲の桜を見かけました。
今年は梅が遅かったので春の代表的な3つの花が一度に咲くことになったようです。
予報によると、この春の桜は開花宣言が出るとすぐに満開になってしまい、開花している期間が短くなりそうだとか。
時期を逃さないように、「私の桜」に会いに行かなくては。