今日のお稽古場
令和三年度の口切でした。
お茶壺の封を切り(封印の場所を切らないように気を付けて)
客が所望した碾茶の半袋を壺の中の詰め茶の中からそっと引き出して
水屋に持ち帰り、懐石の準備をしながら臼でお茶を挽いて濃茶・薄茶(薄茶に用いるのは半袋のまわりに詰められている詰め茶です)の準備をするのはそれは大変な作業で
絶妙なタイミングが要求されるのですが
年に一度いただく、壺から出されたばかりの碾茶を今挽きました、というお茶の
まったりと薫り高くなんて美味しいことか。
水屋から聞こえてくる、お茶を臼で挽くキュルキュルという音を聞きながら
あぁ、今年も無事にこの季節を迎えられた、と幸せを感じました。
そして、今日も濃茶を一口頂いて思わず「あぁ、美味しい」と言葉が出てしまいました。
今日の着物
白練り色無地 毛万筋のような地模様が入っています。
帯は元は羽織だった紅葉柄が飛んでいる絞りの羽尺を名古屋に仕立てて貰ったもの。
ところが肝心の紅葉の模様が前帯にもお太鼓にも出てません。
手先を長く取りすぎて上手く柄を出すことができませんでした。 失敗。
帯締めは同じような赤茶色にうっすらとベージュの糸を組み込んだ丸組です。
今日はお稽古の時間がいつもより長くなる予定だったので夕食の下ごしらえを
朝、出かける前にしていたのですけれど
「おばちゃん、なんかいつもと違う、おでかけするの?」と言いたげな葉っぱが
台所のダンボール箱の中から様子を見守っていました。
葉っぱは、大きなくしゃみをするうちのおっちゃんがちょっと苦手なので
私が留守にする気配を敏感に察知して、まるで、行かないで、とでも言いたそうに私について回ります。
(猫あるあるで、ダンボール箱をなかなか捨てられません、家中のあちこちにそれぞれの猫のお気に入りのダンボール箱が点在しています)
外が暗くなってから帰宅したのですが、玄関の扉を開けたら扉のすぐ前に葉っぱが座って待っていました。
思わず「長い時間するにしてごめんね」と声を掛けたのですけれど
どうやら、私、と言うより、私が出してくれるご飯を待っていた様子。
それもお約束の「猫あるある」です……