先週・今週と2週連続、土曜日の夜9時からNHK BSPで中村勘九郎さん主演のドラマがありました。
ご覧になった方も多いと思いますけれど
あぁ、久しぶりにぞくぞくするシーンを見ることができました。
ストーリーを詳しく書くのはこれからご覧になる方もいらっしゃるでしょうから控えますけれど、
主人公は中村仲蔵という人物。
江戸中期の『江戸時代の伝説の歌舞伎役者』と言われている人です。
詳しくはこちらをどうぞ。
全編通して見ごたえのあるドラマでキャストも上手い役者さんが大勢でしたけれど
仲蔵が演じる、仮名手本忠臣蔵 五段目 斧定九郎 の役造りのヒントを得ることになる、ドラマ上の架空の人物、謎の侍を演じている藤原竜也さんが秀逸でした。
この謎の侍の仕草・佇まいにヒントを得た仲蔵が楽屋で全身白塗りをし
黒の羽二重の着流しを尻端折りして頭から何度もザブザブ水をかぶって舞台へ出ていく、斧定九郎が出来上がって舞台で演じる一連のシーンの凄みったらなかったです。
まるでコロナで歌舞伎の舞台を演じることができない間の苦しみやもがきを
すべて吐き出したような素晴らしい演技、それにカメラワークや演出が素晴らしかったです。
こういうドラマはNHKでこそ、ですよね。
それにしても、すっかりおなじみの斧定九郎の型を今のようにしたのが中村仲蔵だったことはちっとも知りませんでした。
もう一つ、心に響いたシーン。
仲蔵の師匠 髙嶋政宏さん演じる中村傳九郎が
芝居茶屋の小上がりの席で障子越しに奥の部屋で話していた仲蔵と七之助さん演じる初代市川染五郎の話をたまたま耳にして男泣きに泣くシーンもぐっとくるものがありました。
はぁ~ いい芝居だったなぁ。
録画してあるので何度も見てしまいそうです。