約1ヶ月半、自らここに来ることなく過ごしていました。
身内にちょっと厄介な事が起こり、一時はドクターから「いつ心臓が止まってもおかしくない」との説明も受けて、延命治療をどこまで行うか、そんな話もされていたのですが、病院のスタッフの皆さんのおかげで何とか目途も立ち、現在は少し落ち着いた状態で過ごせています。
心に重くのしかかる現実がやってくるまで、日常に多少の不満を抱きつつも過ごせていたことのありがたみを感じるこの2、3か月余りでした。
その間、お茶のお稽古もお休みをいただいたり、気分転換に、とお稽古に出かける際も洋服で、片時もスマホを手放さずに、という過ごし方をしていました。
やっと状況が落ち着いてきたのか1週間ほど前。
実はこんなことが起ころうとは思いもしていなかった3か月ほど前に、祇園祭の後祭り、鷹山復興の立役者、千切屋一門の西村氏宅のお茶会にお邪魔する予定になっていたんです。
(多分お断りの連絡をしないといけなくなるだろう)とあきらめていたのですが
「いい気分転換になるから行って来たら」と言ってくれた夫の言葉に甘えて、お約束の日、出かけてきました。
京都市地下鉄、烏丸御池で降り、烏丸通を三条まで、途中、千總さん(千總さんも千切屋一門です)の社内を見学させてもらいながら西に向かうと室町通りで右手に役行者山、左手に黒主山、そしてもう少し西に向かうと新町通の手前に鷹山が見えてきます。



水引は龍村織物と川島セルコンが織りあげたもの、と伺いました。
復興された山はまだ白木のまま。
来年に向けて漆を塗る予定、と伺いました。
鷹山を横目に見ながら千切屋さんのお宅へ。
冷房が効いたお家の中の涼しくありがたいこと。
邸内やお蔵を拝見。


商標となっている千切台の図と、お厨子に納められた千切台
小間の茶室を拝見した後、祇園祭と千切屋一門との関り・歴史を伺って、いよいよ広間のお茶室へ。

小間に設えられた車軸釜


広間の茶室は立礼席
裏千家の立礼卓 御園棚 お釜はこちらも車軸釜 祇園祭の山鉾の大きな車輪をイメージしますね。
主菓子は笹にくるまれた麩饅頭
あっさりした甘みで美味しくいただきました。御製は大宮鞍馬口下がるの『聚洸』
お茶をいただき、「明後日からはちおん舎でお茶席が始まります」とお話を伺っていると
鷹匠さんが来られました。

少し前まで鷹山で鷹を披露されていたせいで汗ぐっしょりの鷹匠さんと、眼光鋭い鷹。
周りに人がいても、スマホを向けて写真をとても堂々と落ち着いている鷹。
凄く賢そうで立派でした。
画像で見るとわかりにくいですが正真正銘、本物の鷹です。
カッコよかった。
後祭りの山鉾が建った町を歩いて、なんだかこの2.3か月の厄を払っていただいてような、久しぶりに胸の奥にのしかかっていた澱を取り除いていただいたようで気持ちよく帰路に就くことができました。
ちなみに、我が家の粽は今年もご縁のある大船鉾のもの。

「くじ取らず」で、後祭の山鉾巡行の最後を締めくくる神功皇后凱旋の船鉾です。
ずっと不安に押しつぶされそうだった間、ネットの世界に来る気にもなれず
ただただ暗い気持ちを抱えて過ごしていました。
まだまだ安心はできませんが、ちょっとずつ普通の生活に戻れたら、と祈るような気持ちの毎日です。