京都界隈で和装の履物と言えば、まず名前が出るのは祇園の『ない藤』さんか、伊と忠さん。
ない藤さんはお値段も良くて個人的にはちょっと敷居が高く、お品物に間違いはないのですが私などは気後れしてしまいます。
以前、呉服屋さん経由で花緒を持ち込みの着物の端切れで作っていただいた草履は10万円ほどでした。
お寺や神社の中を歩くには寺内や境内の敷砂利で草履の裏が傷まないか、冷や冷やするので、「式」と名の付くような場面や、往復タクシーでホテルでの行事などにしか履く勇気が出ません。
その点、伊と忠さんは予約なしでも気軽に入ることができて、しかもお品にも信頼がおける安心できる和の履物屋さんです。
先日の事、伊と忠さんで昔購入した草履の花緒をすげ替えてもらうために草履を持ち込みました。
天と台が黒のエナメルの草履。元の花緒は同じくエナメル素材の真紅でした。
そのままでもすっきりとしてよかったのですが、少し落ち着いた雰囲気で、しかも洒落た風に変えて見たくて、選んだのが真田の白黒の市松の花緒、前ツボは紅色にしました。


左 before 右 after
1週間ほどして出来上がった、とお電話があり、受け取ってきた草履が上の画像右のもの。
同じ草履とは思えないほど雰囲気が変わりました。
着物を着る機会を持つと、着物や帯が次々に欲しくなり、そのうち、小物の帯揚げや帯締めに意識が行くようになって、私の場合、それから草履でした。
履いて出かけるのは一時に1足しかできないのに、着物の色や雰囲気に合わせたり、季節に合わせたり、出かける場所や、その行事に合わせることを「言い訳」に、気が付けば草履が増えて、一昨年の新居の工事の際に、草履を収納することを考えて大きなシューズロッカーを作ってもらいました。
夏用の本パナマやラフィア(ラフィア椰子という植物の繊維)、エナメルの網代組、
帆布、
袷の季節用のエナメルは着物に合わせて色や、かかとの高さ(1枚芯~3枚芯)を違えて、あとは晴雨兼用のクラリーノなど。
この度、花緒を交換した草履の横に並んでいる2足はどちらも訪問着用。
その下の段の黄色のものは褄にカバーのついた雨草履です。


淡い桜色の台に花菱柄の花緒と、薄紫のグラデーションの台に華の刺繍の花緒
どちらも台に中綿が入っていてクッション性があるので足が疲れません。
所謂、よそ行き の草履です。
この他に、お手入れに出している草履が1足、
なので、今、手持ちの草履は20足になっています。
(これでも引っ越しの際に涙を呑んで5足ほど処分しました)
本当に、着物沼は恐ろしい。
足を踏み入れるとずぶずぶと、抜け出せなくなります……
呆れた顔のニャンズたち
長男 タイガー おばちゃん、いい加減にしときや
あたちはいつでも素足ですのよ、な長女の葉っぱ
草履を増やすなら俺におやつを買ってくれ!な次男のヤマちゃん