以前にもここで書いたことがあるかと思うのですが、この春、夫は職場を変わることになっています。
京都で生まれ、京都で育ち、京都の大学で学び、
在学中に某国家試験に合格、卒業後、修習を経て、
ADHDの夫は実務家にはならず、研究者としての道を選んで大学に戻りました。
途中、在学研究でヨーロッパの大学などで数年、研究生活をしていた時期をのぞいて、
大学時代学んだ大学で約40年、研究者としての人生を送ってきました。
2年ほど前に、ある大学から「来てくれませんか?」と言うオファーを頂き、
決心してから、自分が今の職場を去った後の準備を色々と進め、後任の方の手配も済んだところで、仕事仲間の数人の方に職場を変わることをお話ししたようでした。
もちろん、日常、深く関わりのある弟弟子・妹弟子にはもっと早くから告知をしていたようですが、
夫が定年退官まで1年を残して他大学へ移ることは多くの方が驚かれたようでした。
新しくお世話になる大学では70才迄来てほしい、との契約(?)なので
夫も退職を1年早めてそちらに移るのがベストなタイミングと考えての決心だったと思います。
夫の退職が公になったことでお弟子さんたちが懇親会を計画してくださって
先日、夫婦でご招待をいただきました。
極仲良くして頂いた数人でのお食事会、的なことを思っていましたら
夫が在職中に指導した方や、研究者仲間、過去、海外から夫の元へ留学し研究をされていた方など、想像以上に大勢の方が集まってくださって本格的な懇親会(本格的な懇親会っていうのも変な表現ですが)になりました。
お招きいただいて、何を着て行こうかと思ったのですが、会場がホテルだったので
着物で行くことにしました。
ホテルのロビーの見事な花。
ちゃんとした場に着て行く事が出来る洋服が無い(コロナで一回り大きくなった私のボディ似合う服が無い)ので、選択肢は着物一択です。
伊と幸の四君子の地紋が入った白生地をミモザの色をイメージして染めてもらった色無地。
この着物は、コロナ前まで、毎年三月に開催されていた、ある新聞社のチャリティー茶会の際に必ず着ていた色無地です。
そのお茶会には毎年、制服のようにこの着物を着ていたのですが
コロナが収束した(という扱い)になった今年も、そのチャリティー茶会は開かれないようです。
茶道の各流派が席を持ち、気軽に参加できるチャリティー茶会だったのですが
色々と難しい問題もあったようで、コロナをきっかけに中止されてしまったとか。
茶道の、他流派が交流する関西の研究会や趣味の会なども、中心となってお世話してくださっていた方の高齢化で、次々無くなってしまったのは寂しい限りです。
話しが横にそれました、失礼しました。
あわせた帯は、今年の初釜でも着用した鳳凰の柄の唐織。
茶色の地に金糸が織り込まれて、光に当たるとキラキラするのでホテルの照明のなかで映えるかな、とこの帯を選んでみました。
が!二重太鼓がたるんでる‼ ショックです。
出かける時には気が付きませんでした。 あぁ、恥ずかしい。
フレンチのフルコースの懇親会に続いて、同じホテル内のラウンジで二次会。
ご機嫌の夫は皆さまに誘われて三次会のお店に移動していったのですが
私は留守番の猫たちが気になって、お誘いを遠慮して先に帰宅しました。
「どこ行っててん!」とお怒り気味のタイガー。
その後ろを、「留守番のお駄賃、特別なおやつくれ!」とヤマちゃんと葉っぱ。
猫たちにおやつをやって落ち着かせてから、記念の品を開封したり、
頂いた花束をいくつかに分けてあちこちに飾りました。
きっと正体をなくすほど飲んで帰るだろうと、お風呂も入らず待っていたら
日付が変わってご帰還の夫はべろべろに酔っぱらって、ご機嫌さんで自分ではスーツも脱げないほどでした。
予想通り……
でも、夫にとって嬉しい日だったでしょうから、この日はどんなに酔っぱらってても優しくしてあげました。