こと子の日々の暮らし方

夫婦と猫3匹との平凡な暮らしを日記代わりに綴っています

京都国立博物館で開催中の『茶の湯』特別展へ

楽しみにしていた展覧会が昨日から始まりました。

京都国立博物館 特別展 『京に生きる文化 茶の湯

利休生誕500年で企画された特別展です。

 

tsumugu.yomiuri.co.jp

 

今年は利休生誕500年を記念した展覧会が京都のあちこちの会場で開催されています。

その中でも最も出品数が多く、貴重な品が展示される京博の特別展。

 

一昨日の内覧会に続いて、昨日は本展覧会に協力した京都の

表千家裏千家武者小路千家・藪ノ内 それぞれのお家元が揃ってテープカットをされました。

 

早く観に行きたくてうずうずしていたのですが、三連休の中日の今日、早速出かけてきました。

 

朝からどんよりとしたお天気、予報は午後から雨、

と言うことで、手提げバックに雨コートと折りたたみ傘を持って

雨草履を履いて、準備万端。

 

京博、入場ゲート点前の大きな看板。

時間が早かったせいか、さほど混雑もなく、1点1点をゆっくり見て回ることができました。

 

今回の出品一覧は↓こちらから。

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/chanoyu2022/img/list_221005.pdf?221005

 

私がお稽古している流派からも何点か出品・展示されていました。

 

貴重な書き物などもたくさん展示されていたのですが

どうしたってお茶道具の前に来るとつい夢中になって舐めるように見てしまいました。

 

お茶碗は、初見の物も数点、再びの御目文字の物には心の中で

(お久しぶりです)と。

勿論お茶碗も素晴らしいもの揃いだったのですが、今回、特に心惹かれたのは

茶入でした。

大きくたっぷりした立派な佇まいのものあり、小さくて

どうやって茶杓を入れるんでしょう?と思うようなかわいいものあり。

おなりも、肩付、瓢箪、茄子、文琳、など それぞれに美しく

大切にされてきたのがわかる逸品揃いでした。

 

展示方法が、絵画や軸物に茶道具をバランスよく並べてあるので

前期200ほどの品を、最後まで楽しく見ることが出来る構成になっていました。

 

今回、特に嬉しかったのが、大徳寺塔頭 龍光院所蔵の窯変天目茶碗をまた見る機会に恵まれたこと、

光悦の茶碗、乙前と時雨が並んでいる様子を再び見ることができたこと、

それに、青磁の茶碗・馬蝗絆をまた見ることができたこと。

 

手に取ることはもちろんできないけれど、それぞれのお茶碗を手の中に包み持って、お茶をいただいているイメージがとてもリアルに感じられました。

 

場内には利休が作った茶室、待庵を実寸大で再現されたものが、いつもなら仏像たちが並んでいる1階のスペースに、秀吉の金の茶室の再現と共に並んでいました。

 

待庵は京都・大山崎の駅のすぐ目にある妙喜庵の中にあって、

水無瀬神宮のお茶会の際には必ず妙喜庵にも席がかかります。

そんなわけで待庵はそのお茶会の際に何度か外から見たことはあるのですが

今回の京博では、躙り口から中を覗き込む展示方法がとられていて

茶室に入る時のように、躙り口の前で身を屈めると

目の前に床があり、その床に椿の花が一重切りの竹の花入れに入れてあるのが真正面に見える、という、待庵に入っていく疑似体験ができる工夫がされていました。

 

再現とは言え、今日、待庵の躙り口の前で体を小さくして中を覗き込んだとき、

何とも言えない感動がありました。

遥かな時を超えて、利休さんが座する小さなお茶室に招かれたような

不思議な感動でした。

 

会場全体を見て回って、気が付くとへとへと。

素晴らしい展覧会にいくと必ず、身も心もへとへとになる、あの感じです。

 

会場を出ると、京博のマスコット、「トラりん」が観客を前になにやら

イベントをやっていたようで、ちょうど帰っていくところでした。

 

(トラりんもちゃんとマスクしてるんだね)

ふと見ると、トラりんのしっぽに、ガムテープのような紙がくっついていて

思わず「トラりん、しっぽに何かついてるよ」と言ってしまったのですが

トラりんのお世話係のお姉さんが

「これは数字の1なんです、明日がトラりんの誕生日で、あと1日なので1と貼ってあるんです」と教えてくれました。

話せないトラりん(笑)も、大きく「うん、うん」とうなずいてくれてご退場。

 

トラりんに「バイバーイ」と手を振って、心地よい疲れに包まれて家路につきました。

 

今日の着物

 

 

赤みかがった薄紫の白山紬

光沢のあるツルっとした紬なので、万が一、雨に当たっても

さっと払えば大丈夫。 大島紬と同じような感じですね。

 

白山紬は牛首紬ととても良く似た紬で、元は同じ石川県の白峰村と言うところで織られていたものです。

牛首が経糸を手引きの節糸を使って織られているのに対して

白山は人工的に作った節糸を縦糸に使って織られています。

なので、白山のほうがお値段も手ごろで、牛首紬に比べると生地の厚みも薄く

何となく整っている印象の紬です。

 

帯は元は小紋の着物だったものを帯に仕立て直したもの。

画像ではわかりにくいですが花や実の中に鳥が描かれていて「花喰い鳥」の小紋着尺です。

ごく薄い小紋の生地なのでしっかりした裏をつけてもらって額縁仕立てにしてもらいました。

 

帯揚げはごく淡い薄紫に黄色の雲がたなびいているような染の縮緬

帯締めは紫がかったチョコレート色に黄色がポイントで組まれている平組。

 

 

展覧会場にいる間に本格的な雨が降り出していたので

帰りはこの上に白地に蛍ぼかしの雨コートを着て帰りました。

草履を雨草履にしていて正解!

偉いぞ、私。 と心の中でつぶやいたことは内緒です。

 

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