「君に謝らないといけないことがあるんや」
今夜、お風呂から出てきた夫がおもむろに居間のソファに座って切り出しました。
(えっ⁉なに⁉ いったい何をしたの?)
ドキドキしながら続きの言葉を待ちました。
「あのなぁ、入浴剤の詰め替え、ぼーっとしててボトルに入れんと湯船に入れてしもてん」
なんだ、そんなこと……
お風呂は夫が先と決まっている我が家
いつも使っている入浴剤が切れた時の補充も先にお風呂に入る夫の仕事です。
「何したのかと思ったらそんなこと(笑) じゃあ今夜のお風呂は肩こりにすごく効きそうやね、長めに浸かってきます」
そう返事してお風呂に入ったのですけれど、湯船、見たことないほど濃い緑でした。
昔、絵の具のついた筆を洗った後の筆洗いの水みたい。
うちが常に使っている入浴剤は肩こり・腰痛に効果があるというもので、
ずっと同じだと飽きるので時々は気まぐれに買ったものを使いますけれど
夫も私も肩こりがひどいので「肩こり」と効果効能が書いてあるものを使っています。
効いているのかどうかは不明ですけれど、まぁ何もしないよりは効いてると信じて。
さて、本日のタイトルの件。
今日、買い物のついでにいつも様々なことをお願いしている近所の呉服屋さんに寄ってきました。
先日、義理実家から持ち帰ってきた義母の着物のお直しをお願いするためです。
義母は女性としては背の高い人で持ち帰った着物の寸法を測ってみたら身丈と身幅はそのまま着られる寸法だったのですが裄だけは私の寸法には足りなかったんです。
私の裄寸法は1尺8寸
持ち帰ってきた着物の裄寸法は1尺7寸2分ほどでした。
袖と肩の縫い目を指でそっと探ったり、照明に透かして縫込みを見てみたら
何とか1尺8寸に出せそうな気がしていたのですけれど
今日、呉服屋さんに確認してもらったら「大丈夫、出せます!」と太鼓判を押してもらったのでお手入れと裄出しをお願いしてきました。
「カレンダー持って帰ってくださいよ」と言って渡してくださったのは着物カレンダー
木村佳乃さんのお着物姿があまりに美しくて持ち帰って開いてみてため息が出ました。
表紙はモダンですっきりした印象の付下げのようにも見えますが、訪問着でしょうか。
水色の着物に金糸の使われた豪華な帯、
帯揚げ・帯締め・手にしたバッグは上品なピンクで揃えられています。
1月2月は寿ぎの訪問着
おめでたい松の意匠に梅と竹
帯にも松竹梅が織り出されています。
帯揚げは卵色、帯締めはグレートオレンジとピンクで帯と着物と帯揚げの色を取り入れてある組み合わせです。
3月4月は満開の桜(もしかして花桃か梅?)の前に桜のお訪問着で。(もしかしてこの着物の柄も梅でしょうか?)
帯はすっきりとした印象のコーラルピンクで色紙模様
帯揚げは白地に若草色がちらりとのぞき、帯締めも白と緑が組まれています。
手にしたバッグは帯と同じ色目で揃えてありますね。
5月6月はさわやかなブルーの地に観世水と植物様の丸紋が配された訪問着
帯は菖蒲、唐織の帯のようです。
帯揚げは卵色、帯締めは着物のブルーと帯揚げの卵色を取ってブルーに卵色の菱紋が組まれています。
背景も初夏の美しい緑です。
そして7月8月
あぁ、私がずっと欲しいと漕がれている紫の雪花絞りの浴衣
半衿をつけ名古屋帯を合わせて浴衣着物としてお召しになっています。
手にはうちわ、帯締めはすっきりとレモン色濃淡の三部紐、そして雪花絞りの紫に合わせて
帯揚げは帯のレモン色と緑の中から白地に淡く黄色が入っているようです。
そして、浴衣着物だけは他の着物姿と比べて気持ち帯の位置が高めに着付けされているのも個人的には参考にしたいところです。
9月10月は紅葉真っ盛りのもみじの前で
流水に紅葉が描かれた豪華な訪問着。竜田川ですね。
帯も豪華 金銀糸を中心に花や兎?が雪輪になっているように見えます。
手に持った利休バッグが白地なのはここに色を持ってくるとくどくなるからでしょうか。
そして最後、11月12月
全身に菊がいっぱいに描かれた訪問着
一見した印象はおとなしめな感じもしますけれど手描き友禅で非常に手の込んだ着物のようです。
帯は鮮やかな黄色をベースに観世水文様をモダンにした印象の織のよう。
そこに黄色の補色の青紫の帯締めをしています。
帯締めがはっきりと効いて強い印象が残る組み合わせですよね。
帯と帯締めのコントラストを邪魔しないように帯揚げは着物に溶け込むような水色です。
こうやってスマホで画像を撮ると実物の美しさがなかなかそのままには写せないのですけれど、どの着姿も本当に素敵です。
カレンダーを広げて
「わぁ、キレイ! あっ、この着物も素敵!」と言いながら眺めていると
「そんなん素敵に決まってるやん」とまたもや余計な一言を言ってきました。
まったく、男って余計なことばかり言う生き物です。