今日は5月最初のお稽古日でした。
いよいよ風炉の季節。
まだ実家にいた学生時代に初めてご近所のお茶の先生に入門し
結婚して家を出るまで続けていたお稽古。
忙しく生活していた日々が一息ついて思ったことは
(お茶のお稽古を再開したい!)ということでした。
京都のお家元の事務局にご連絡を取らせていただき、今の宗匠をご紹介いただいて
お稽古を再開したころは炉から風炉へ、また風炉から炉へ、と切り替わるたびに
?どうだったっけ?と動きが止まりそうになることもありました。
今日は、というと、
意外なほど自然に手が動いてお点前を割とスムーズに運ぶことができて
あぁ、お稽古してきた時間が今につながっているんだな、とそんな風に思ったりする風炉開きの濃茶点前でした。
今日のお稽古には先日、白練の着物に合わせた菖蒲の帯で、と決めていたので
さて、着物をどれにしようかと
最初に帯をのせて見たのは白灰色の飛び柄小紋
悪くはないけれど、何となくピンときませんでした。
帯揚げと帯締めの色で全体を引き締めれば素敵な組み合わせになるかも、とも思ったのですが
こっちはどうだろう、と出してみたのは
チョコレート色の地に兎と花びらが飛んでいる小紋。
帯とのコントラストがあってなかなか良さそうでした。
帯揚げは
左から、薄緑に黄色や薄桃色がぼかしてある綸子
ピンクの地に水色やオレンジの丸模様の綸子
白地にオレンジ、ピンク、黄色などの柄の入った綸子
この三つを合わせてみて一番左の帯揚げに決めました。
最後に帯締めを
左は墨色の冠組、右は若緑に白のばかしの入った平組
新緑の季節のイメージで右の平に決めて着てみました。
長襦袢は先日誂えた水色の洗える絹です。
袖口や振りから少しのぞいています。
これまで着付け小物や着付けの仕方を何も考えずいつも同じようにしていたのですが
着付け用の小物のいくつかを買い換えたことがきっかけになって
着付けの仕方もあれこれと試している最中です。
今日は衣文の抜き方をいつもとは少し変えてみました。
いつもは長襦袢の前を合わせて衿を決めたらコーリンベルトで両方の衿の前を止めています。
今日は衣文抜きに短めの腰紐を通しておいて衿を決めたらその紐を両方の身八口から襦袢の中に通して胸の下で結び、そのあと、改めて衿をもう一度合わせ直していつものようにコーリンベルトで止める、ということをしてみました。
一日中着物でいても衣紋が詰まってくることがなくいい方法だと思ったのですが
お茶の席の着姿としては衣文を抜きすぎている感が満載……
次回は最初に衣文の抜きを決める時にもう少し浅くして見ようと思います。
ただこのやり方で襦袢の衣紋を抜くのはとてもいいように思います。
私がお稽古している流派では濃茶の点前には出し帛紗というものを使います。
(裏千家さんでは古帛紗をお使いになります、古帛紗は点前帛紗の役4分の1くらいの大きさ、出し帛紗は点前帛紗と同じ大きさです)
練ったお茶をお客様にお出しする際にその出し帛紗を添えるのですが
今日は5月ということで龍村の「コプト甲冑異文」の出し帛紗を添えてお出ししたところ、
お稽古の席でお客様役をしてくださっていたお仲間から
「5月だから甲冑の帛紗なのね」と受けていただき(あ、わかってくださった)と嬉しく、
宗匠からも、帯といい、出し帛紗と言い季節を大切にしていることが伝わってきますね、との言葉をいただき
(この出し帛紗を使ってよかった)とちょっと楽しい気持ちでお稽古を仕舞うことができました。
コプトは『コプトは、主にエジプトにおけるキリスト教信徒』ということなのだそうですが
着物や帯にはコプト柄というのが割と多く用いられています。
エジプトを意識させるような柄は全般的に「コプト柄」と呼ばれるようですが
↑の出し帛紗は
『埃及綴れの紋様としてプトレマイオス朝によく用いられている円と四点と矩形の連続した古代文をとって経錦によみがえらし中央および周辺には近代独乙紋様を配して新しい織物をこころみた』
という説明文が付いていました。
四角の枠の中に甲冑を身に着けた兵士が織り出されています。
龍村美術織物のブログより
今月は母関係でいつもより頻繁に実家へ出かける予定が入っていて
残念なことに月末近くまでお稽古に行くことが叶いません(;_:)