今朝は少し冷えました。
3月末から4月のかかり頃、単衣でもいいと思えるほどの陽気でしたのに
今日は目覚めた時から空がどんより、なんとかお稽古に出かけて帰るまで
お天気がもってほしい、と願いながら支度をしました。
あちこちで藤の花が満開になっていて
いつもは『花の盛りには競わない』、
着物や帯の柄行に関しては早め早めを意識しているのですが今年の藤の思わぬ早さに
(今日を逃したら来年までこの帯は結べない……)とついマイルールを緩くして
藤の帯を結んで行きました。
それに、昨年は緊急事態宣言が発出されお稽古も中止になっていたので
今日、この帯を使わなければ2年、出番がないということになって帯が少し可哀そうな気もしたのです。
藤色の色無地
背に一つ紋が入っていますが(^^; お稽古に着て出かけてもいいよね?
八掛も同じ色に染めてもらいました。
帯は京都の作家さんに書いてもらった縮緬地に藤の花と杜若(カキツバタ)の名古屋帯です。
水辺に咲いているのでこれは杜若。花びらの中央に剣型の白い部分があることからも杜若とわかります。
菖蒲(アヤメ)は土(水辺ではなく地面)に咲き、その名の通り花びらに網目模様が入ります。
この帯、お太鼓の柄は上の画像のように 藤の花の房の下に杜若が咲いている様子が描かれています。
前に出て来る胴の部分には片面は藤の花、もう一方には杜若の絵が描かれていて、
関西巻きで帯を結ぶと胴には杜若が、関東巻きで結ぶと藤の花が出るようになっています。
いつも関西巻きで着ることが多いので杜若が出て来るのですが
今日は久しぶりに関東巻きに挑戦、藤の図柄を胴に出してみました。
帯を巻く時、ぐっと力を入れて〆る手がいつもとは逆になるのでやはり結びにくかったです。
帯揚げをどうしようかと3つほど色合わせをしてみました。
左は濃紫のちりめん、真ん中は白橡色のちりめん、右が白の綸子
真ん中と右は画像で見るとあまり違いが判りませんけれど
実際に見るとはっきりと違っていて、白橡色ですと全体がぼけたような印象に見えました。
濃紫は少しきつい印象だったので選んだのは綸子の色。
流水の模様が織り出されているので杜若に合わせてみたというのもありました。
帯締めは以前はいつ使ったかも記憶にないほど久しぶりの出番
紅藤色の平ですが組み方の名前はわかりません、表と裏で組み方(柄の出方)が違っているちょっと変わった組み方になっています。
お稽古場で会ったお仲間の何人かから
「着物と帯は合わせて作ったの?」と声を掛けていたいただいたのですが
色無地と帯は全く別の機会に購入したもので、紫好きの私がたまたま魅かれて購入した二つが気が付けば同じ色目になっていました。
ワントーンに近い組み合わせはともすれば面白みに欠ける着姿になりがちですが
今日はこの帯の図柄のおかげで助けられたように思います。
実は、今朝6時頃に実家の母から電話で
「頭が震える」と言われ、今日はお稽古をあきらめて実家へ向かうことになりそう、と
ちょっと落ち着かなかったのですが実家の近所に住む叔母が様子を見に訪ねてくれ、
いつもお願いしている24時間対応の訪問看護ステーションから看護師さんも駆けつけてくださって、
それで安心したのか落ち着いた母は電話の向こうの声もいつもと変りなく
「頭の震えも治まった、今日は帰ってこなくていい」といったので叔母と看護師さんに甘えさせてもらって明日、実家に向かうことにしました。
実家のある兵庫県はこれまでで一番多いほどのコロナの感染者数を出しているので
実家に行くことも少し不安が伴います。
明日は十分気を付けて出かけることにします。