いったい何を作らないかって?
私じゃありません、お稽古場でいただく主菓子のことです。
お稽古場では毎年、ほぼ変わらず月の主菓子をいただきます。
1月は梅の花に雪が積もった様子の紅梅や絵馬
2月は福枡や下萌え
3月はひちぎり や 菱餅
そして今月 4月の楽しみは 『野弁当』
お店のHPの画像より。
餡を求肥で丸くくるんで味のついていない錦糸卵(本当の錦糸卵です)を散らし
羊羹で出来たで紅ショウガと椎茸の含め煮をのせ、鶯餡のグリンピースを天に、
なんとも目に楽しいこの主菓子の銘は「野弁当」です。
4月のお道具が旅箪笥に釣り釜なので、毎年 この主菓子を見ると春の野辺で野点を楽しんでいるようなうきうきと楽しい気分になります。
今はコロナ予防の観点からお菓子はすべて銘々皿で出していただいていますが
この野弁当を懐紙に移し、上手に食べるのは結構至難の業(^^;
でも、毎年頂いているうちに何となく要領がわかってきてこぼさず食べることができるようになるから少しずつでも成長出来ているということなんでしょうね。
こんなに目に美しく心がワクワクする主菓子ですけれど
菓子司さんはお願いしても「4月にしか作りません」と仰るようで、
それだけお菓子の職人さんも季節感を大切にされているということなのでしょうね。
そして、考えてみれば毎年、毎月、その時期に同じお菓子をいただくことで
(あぁ、今年もこの季節になったんだわ)とか
(去年の今頃、こんなだったなぁ)と感じることができているのだと思います。
ついでのことに
5月は粽、唐衣(かきつばた きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもう) 青梅
6月 紫陽花 沢辺の蛍 そして、水無月
7月 天の川 くず焼き
8月は 例年お稽古はお休み (でも勉強会で1回は集まって何かしらいただきます)
9月 萩こぼし 千代見草
10月 きせ綿 山土産(やまづと)
11月 炉開きのお善哉 錦秋 亥の子餅
12月 顔見世 聖夜
これらの定番のお菓子の他に時折、お菓子屋さんが「新作です」というものも雑じってきます。
お稽古に伺って水屋で主菓子の箱を見ると(あぁ、今日は〇〇屋さんのお菓子やわ、ということは△△かな?)と箱の蓋を開ける前からワクワク。
特に4月のこのお菓子は毎年の楽しみです。