このところ天気予報とは少し違った空模様が続く当地。
今日も、午前中 お稽古に出かける時には晴れていたのに
午後2時過ぎ、お稽古場を出た頃には空はどんより、雲の色が重いグレーで
今にも降り出しそうな気配でした。
まだまだ寒い日もありますけれど真冬に着ていたコートはさすがにもう無理なので
2月半ばころからは塵除けを兼ねた雨コートを道中に着ています。
一昨日に撮った画像です。
今日の着物とは衿元の様子が違います。
今日は、春らしい色合いの小紋
このブログで何度もご紹介している青磁色の地に唐花(クレマチスのようですけれど私は唐花と呼んでいます)の小紋にしました。
18才の時、お茶のお稽古を始めるにあたって誂えてもらった私にとっての最初の小紋です。
この小紋と一緒にはっきりとした朱色の色無地と雨コートを誂えてもらいましたが
雨コートはいかにも「昭和」のオレンジ色の格子柄で今は和箪笥の一番下の引き出しの底。
一度、いつもの悉皆屋さんに色替えを相談したのですが防水加工してある雨コートの色替えは難しい、赤がしっかり抜けないからあまりお勧めできない、とのお返事でした。
新しいのを仕立てる倍くらい料金がかかりそうで、しかも思ったような色合いにはならない可能性大!ではあきらめざるをえませんよね。
そして朱色の色無地はお若い方のところへお嫁入させてもらいました。
でもこの小紋だけはなんだか手放しがたく、
洗い張りを何度かし、八掛の色を段々地味にしながら年に一度くらいの頻度ですけれどまだ着ています。
明るい色合いや派手めな柄行の着物でも
「好き」が勝つと案外自信を持って着られるようで、今日もお稽古場で
「春らしい着物ですね」と何人かに声を掛けていただけたので
秘かに(まだOK!)と思いました(笑)
合わせた帯はちょっと変わった糸で織られています。
正絹と紙を加工した糸と金属糸(金銀糸)でざらっとした手触りの帯、
春から初夏までがぴったりといった感じです。
白と灰色と金でハート形?のようなアラベスク模様
柄の一部にほんのポッチリ薄い桃色が混ざっています。
前はいつ使ったかしら、とブログの「着物」カテゴリをざっと見てみたら
昨年の4月の初めに水色の色無地に合わせていました。
で、帯締めは今日と同じものを締めていました(笑)
帯揚げを、最初白地にモスグリーンの飛び絞りを合わせようと載せてみたら
なんだか面白みに欠けるような気がして
ちょっと光沢のあるオレンジの無地の帯揚げに変更。
意外なくらい雰囲気に影響を与えると思います。
こういう小物の取り合わせを考えるのも着物の愉しみですよね。
ついでに今日の長襦袢。
こんな色も泥染めで染めあがるなんて!と反物を見た時に驚いたのを覚えています。
お稽古の時にお干菓子でいただいた絲印煎餅(いといんせんべい)
ほんのり甘くてサクサクしていて後を引く味です。
お店のHPの説明から
絲印について
絲印とは、室町時代以降中国からわが国に輸入された生糸に
添付されていた銅印のことをいい、
小さな鈕(ちゅう)のついた印です。
この輸入生糸の一荷には、必ず銅印一個をつけ、
わが国に到着した後その斤量をあらため、
受領証書にこの印を押して、
取引の証とする優雅な風習がありました。
しかも、一荷ごとにつけてある印は、
印面も形もそれぞれ異なり、
印文も取引用語を抜きにして、
弄花吟月、愛春惜秋等の風流語や、
判読しにくい謎のような文字、絵、文様などが
風雅に表されていました。
また、鈕には人物、動物等を鋳出し、意匠も種類も雑多で、
明時代の精巧な鋳金術をそのままに、
小さいながら当時の工芸美術品の代表的なものと言えます。
太閤秀吉もこの絲印を愛し、
公文書に押す自らの朱印もいくつか秘蔵していた中の
最珍品を用いたと伝えられています。
こんな風に様々な焼き印がお煎餅に押してあります。
各地の銘菓を知ることができる、というものお茶のお稽古の大きな楽しみの一つです。