事始めの今日、お茶のお稽古に出かけてきました。
事始め
最近ではTVのニュースで祇園の芸舞妓さんが踊りのお師匠さんのところへ
ご挨拶に行き、「おきばりやす」と声を掛けていただいてお扇子をいただくシーンが紹介されるので芸舞妓さんの年中行事の一つ、と思われているかもしれませんが、
事始めは12月13日、
この日からお正月を迎える準備を始める、という日で
山に根引の松を抜きに出かけたりすす払いを始めたり、
雑煮を煮るための薪を山に拾いに行ったりしていたのですね。
今ではそんなことする人もいなくなった?と思っていましたら
滋賀県の山間では最近でも事始めの頃になるとお正月に門に飾る根引の松を抜きに来る
業者さんをけっこう見かけるそうです。
さて、そんな事始めの今日の着物
国宝平等院 幸せの鐘がなる と銘の入った中村勇二郎最後の作品。
一見無地のように見えますけれど近くでよく見ると非常に細かい彫りで
平等院の梵鐘に彫られている「天人像・獅子・龍・鳳凰・飛天・唐草文」が染めだされています。
帯は塩瀬羽二重、白地に扇面の模様です。
この帯、とても柔らかくて、それゆえ結ぶのが難しい……(;'∀')
お太鼓の形をピシッと決めたいと思ってもふにゃふにゃしてしまって思うように決まってくれません。
でも色柄が割とどんな着物にも合わせやすいので便利な帯なのですけれどね。
帯揚げは辛子色
着物と帯の取り合わせのデータを残しておきたくて撮ってある画像の中から
昨年、この江戸小紋を着ている画像を見つけて見ましたら
合わせた帯は違っていましてけれど帯揚げは同じものを使っていました。
この着物にはこの帯揚げが合う、と自分で思ってるんですね、
無意識だったと思っていましたけれど予想外に定番化していたようです。
帯締めは七緒通販で購入した「何にでも合う」帯締め(かといってなんにでも合うわけではないですけどね、とこのセリフ、何回目?・笑)
今日のお稽古、いくつかのお茶碗の中には
陣太鼓の描かれているものがありました。
明日は討ち入りですね。
お稽古の中で『忠臣蔵』の話になったのですが
お弟子さんの中でもお若い方は忠臣蔵や赤穂浪士をご存じない方も少なくなくて、
なんだか時代を感じてしまいました。
そういえば最近はTVでも時代劇はNHKくらいでしか放送していませんし
この時期恒例だった忠臣蔵時代劇も見ないですものねぇ。
同じく、宝船の描かれたお茶碗もあって
内心、これは 宗匠が仕掛けられた
「年の瀬や 水の流れと人の身は」「明日待たるる この宝船」
の判じ物かしら?
とちょっと深読みしてみたりもしたのですが どうだったんでしょう……
伺わなかったので本当のところはわかりません。
主菓子は『顔見世』(画像はお店のHPよりお借りしました)
團十郎の紋、三枡が着物の袖に、の風情のお菓子です。
色も見事に團十郎の海老茶色。
毎年、この時期にはこの主菓子をいただくので
年の暮が近いことを感じます。
年内のお稽古は今日が最後、というお稽古仲間の方も数名いらして
「どうぞよいお年を」とご挨拶をして帰ってまいりました。