先日、↓の記事に書いた、振袖の袖を1尺3寸に切った時の
切り取った袖生地。
hibinokurasikata.hatenablog.com
数年、和箪笥の中で眠らせていましたけれど
ふと思いついてあらためて出してみて
何かに使えないだろうか、と記事に書き、「二部式の帯にするのはいかが?」と
アドバイスをいただき
(わずかな残り布だけど、帯にできないかダメ元で相談してみよう)と、
翌日、帯の仕立て屋さんに相談してみました。
現物を見てみないと、ということになり
余り布をお預けして、解いてもらいました。
そうしましたら
「解いてみたら思っていたより長く寸法がありました。これなら二部式の帯にできますよ」とお返事がありました。
解いて、湯のしして
仕立て屋さんからいくつか柄の出し方のイメージを提案してもらったのがこちら↓
まずはお太鼓とタレ
1案 江戸好み
2案 京好み その1
3案 京好み その2
前帯のイメージ
1案
2案
両袖分を解いてもらった結果、同じ柄付けで柄の高さが違う布がそれぞれ2枚づつ取れたそうで
前帯のお太鼓に入って少し出る手の部分は選ばなかった方の前帯の生地を使ってくださるとのことでした。
以前、若い頃に誂えてもらって一度も袖を通さなかった羽織2枚を
九寸名古屋帯と利休バッグと草履の鼻緒に仕立て替えてもらったことがあって
その時にも絹の反物のくりまわしのすばらしさを実感したのですが
今回も
そのままだったら『ただの切り取られた布』だったものが
瀟洒な帯に変身してくれることがとても嬉しい驚きです。
着物業界は先細り、と業界全体が危機感を持たれていることは
京都に暮らしているとひしひしと感じます。
上等の反物を選んで染から呉服屋さんと相談して誂えるということが
昔と比べてめっきり減ってしまい
数えきれないほどの細分化された着物に携わる仕事をする職人さんたちも
後継者不足や経済的な問題で仕事終い、店仕舞いされるところも少なくありません。
日本の民族衣装である和服、
洋服に比べると、
高価・着るのが大変・お手入れに手間とお金がかかる・動きが制限される、など
様々なデメリットもありますけれど
せっかくの美しい民族衣装、少しでも生活の中に取り入れていきたいと思っています。