いつ誰が手に入れたのかわからない綿絽の浴衣地の反物が実家の和箪笥にあったのを
京都に持ち帰ってきたのは何年前だったか、
古いものなので反物幅いっぱいに仕立ててもらっても私の裄には少し足りないのですが
浴衣なら裄が少し足りなくても大丈夫、と今年こそは仕立てることにしようと思っていました。
ところがせっかく浴衣を新調しても今年の夏は着る機会はないでしょうし
(またこのまま箪笥で眠ったまま来年の夏を待つことになりそう)と思っていたこの反物。
ふと思いついて5月の半ばにいつもお手入れなどをお願いしている近所の呉服屋さんに
持ち込んで
「単衣の着物仕立てにできないでしょうか?」
と相談してみました。
広襟で居敷当と肩滑りをつけてもらって裄は出せるだけいっぱいに、と相談してみると
反物幅が9寸4分
今、反物幅は9寸8分が標準になっているので4分足りないことになります。
そして私の裄寸法は1尺8寸
縫い代を考えるとどう頑張っても1尺7寸8分が限界でしょうけど
夏の着物なので少し裄が短くてもおかしくないでしょう。
ということで
夏の単衣着物として仕立ててもらうことにしました。
で、仕上がってきた寸法と
綿絽夏着物がこちら
一分は約3.8㎜
襦袢の袖の振りが着物の振りから出るか出ないか着付けてみないとわかりませんが
何とか手持ちの襦袢で着てみようと思っています。
このお仕立て、
浴衣地は持ち込み、
手縫い仕立てで居敷当て、肩滑り、襟裏などはお願いして、
まるっと全部で 18,500円で上がりました。
安い…… 手縫い仕立て、しかも、京都の仕立て屋さんにお願いして
この値段。
いつも着物のお手入れやら仕立て直し、たま~に帯を買ったり、の
近所の呉服屋さんですけど、
とにかくお手頃な料金で仕事をしてくれる、ありがたい存在です。
さて、お茶のお稽古は緊急事態宣言が全国的に解除された時からひっそりと始めっているのですが
お着物は禁止(という強いニュアンスではないのですが、しばらくはやめておきましょう、ということ)なので、
何年ぶりでしょう、洋服でお稽古させていただいていました。
でも、やっぱり何かと不便。
懐紙や袱紗、その他諸々を、着物なら胸の打ち合わせやら
帯の間やら、お太鼓の中にしまっておけるけれど
洋服となると、ベルトをして挟んでおかねばならず
着物に帯、のほうが正座も格段に楽で、
やはりお茶のお稽古は着物でするのが一番楽、と実感しました。
(裏千家さんの淡交社さんでは洋服でお稽古するときのための便利な着物風打ち合わせのベストのような稽古着があります)
東京をはじめ、各地でまたコロナの感染者数が増えてきているのがとても気がかりですが
7月のお稽古からは(今のところ、予定では)着物着用もいいでしょう、ということになっています。
いつの間にか季節が変わって薄物の7月がやってきます。
早速、この浴衣ならぬ、綿絽の夏着物を着て出かけるのが楽しみです。