お茶のお稽古仲間に表具師の方がいらっしゃいます。
伝統工芸士のその方は普段お稽古場でご一緒していても寡黙で非常にまじめな方で
その性格が表れたとても丁寧なお点前をされます。
その方がお稽古場に案内のはがきを置かれていたのをいただいて
昨日、土曜日のお稽古の前に展覧会を覗きに行ってきました。
会場は京都文化博物館 本館の5階、ミュージアムギャラリーでした。
表具の展覧会は全く初めての経験で、見せていただいてその良さが理解できるのか
頭の中が『?』マークでいっぱいだったのですが、会場についてみると
想像していた以上の方がいらしていて正直ちょっとびっくりしました。
なんと!
今回が104回目の開催なんですって。
戦争中など開催できたのかわかりませんが、少なくとも104年続いている展覧会なんですね、
京表具、という言葉も初めて知りました。
お茶室の中では必ず床に掛物がかかりますし、茶道具の展覧会などでも
掛物は目にしますけれど、表具に特化した展覧会ってお稽古仲間の方の置かれた案内状を見なければきっとご縁がなかったと思います。
思っていたよりもずっと広い会場の中に額装丁や軸物などが所狭しと展示してあって
来場者の多さと相まって一瞬圧倒されました。
お稽古仲間の表具師さんがこの日会場にいらっしゃるかもなにもわからず
突然に行ったので会場の入り口近くから順番にまわってみていると
(著作権等、差しさわりがあるようでしたらこの画像は削除いたします。
尚、会場内の作品は写真撮影許可との掲示がありました)
なんと!
会長賞を受賞されていました。
へぇ、すごい。
このお軸の前に立って使われている裂など見ていましたら
ご本人が近づいてこられ声をかけてくださって
作品に使われている水墨画の作家さんについて、
また、使われている銀襴(恥ずかしながら私は金襴は知っていても銀欄というものがあってそれがこういうものだとは知りませんでした)や上下について
詳しく説明をしてくだったので
何も知らず見ているのと違ってとても興味深く見ることが出来ました。
この方、洋間にも合うような棟方志功さんの絵を緞子の裂で表装したものなど
他にも2点、出品されていてその2点についてもとても詳しく教えてくださいました。
いつもお稽古でお目にかかるときとは違ってとても饒舌で
ご自分のお仕事に自信を持っておられることがよくわかりました。
これまで茶室以外では全くといっていいほど見ることも知ることもなかった
表装というものの興味深さ。
これから少しずつ勉強できればまた一つ世界が広がっていく、と嬉しい経験をしてきました。
作品の解説をしてくださったあと、お茶券をいただいて
ゆっくりと一休みしてからいつものお茶のお稽古場へ。
宗匠や他のお稽古仲間の皆さんとこの展覧会の感想などお話しできて
それもまた楽しい時間を過ごすことが出来、充実した一日でした。