7月に入って四条界隈は一気に祇園祭りムードになってきました。
先日、買い物で立ち寄った高島屋さんの正面ディスプレイコーナーも
日本手ぬぐいの『永楽屋』さんのこんな素敵なディスプレイになっていました。
日本手ぬぐいと言えば、昔は出入りの酒屋さんやお米屋さんが盆暮れの挨拶に持ってきてくれることが多くて
食事の後片付けの折に洗い上げた食器の水分を拭きとるのに使ったりしていました。
最近では家庭の台所から姿を消しつつある日本手ぬぐいですけれど
お茶のお稽古では今でも水屋での仕事に欠かせません。
我が家の台所仕事にも日本手ぬぐいは未だに活躍してくれていますし
着物で出かける時には食事時のひざ掛け代わりに、あの長さがとても便利で
必ず2枚ほど持って出かけます。
先日、新しく何枚か、台所で使うものを買い足したい、と思い
その目的が台所で酷使する、と言う事でしたので100均でいいか、と
近くの100均に買いに行った時の事。
店内を見渡しても見当たらなかったので近くにいた店員さんに
「日本手ぬぐいはどこにありますか?」
と尋ねたところ、
「…… 何ですか?」
と言われてしまいました。
今の若い人には日本手ぬぐいという言葉はもうわからなくなっているんですね。
そのお店はキャン★ドゥだったんですけれど
SC内の小さなショップだったのでどうやら置いてないようでした。
(えっとね、ここのキャン★ドゥでは以前にも「レターセットどこにありますか?」と尋ねて「はぁ? 何ですか?」と言われたことがありますのよ。 今の若い人にとって手紙と言えばメールなんですよね、きっと……)
そんな風に、一時期はタオルに取って代わられた日本手ぬぐいですけれど
この『永楽屋』さんのユニークな⁉、というか発想力と行動力にあふれた社長さんは
日本手ぬぐいの新しい使い方を、おしゃれに、粋に発信することで
お店を、そして日本手ぬぐいを見事に生き返らせて若い人のおしゃれ心に上手に食い込んでいったところが本当にすごいと思います。
永楽屋さんのお店に行くと国内外からの観光客の方達などでいつも盛況な様子です。
見せ方がうまいんですよね、
店内のディスプレイを見てると
「いいな」
「うちもこんな風に飾ってみよう」
と思いますもの。
日本手ぬぐい、と言えば、
私は毎年、祇園祭の長刀鉾と蟷螂山の手ぬぐいを買ってコレクションしています。
和ダンスの中に溜め込んでいて、
夏場のお茶のお稽古の時に袂に忍ばせたり
籠バックで出かける時の中身を隠す覆いにしたり。
他の人にはわからないけれど、
時々、目の端に入って来る手ぬぐいの柄をひとり愛でるのも小さな楽しみです。