昨日のお稽古で着ていた江戸小紋
襟の仕立てがバチになっています。
ご存知の方も多いと思いますが和服、長着や長襦袢の襟の仕立て方には
広襟・バチ襟・棒襟 などがあります。
(私の持っている小紋の中で一枚、途中まで縫い付けてあって
半襟が隠れるあたりから広襟に仕立ててあるものがあります。
そういうのってなんていう仕立て方なのか不勉強で知りません・汗)
仕立て方の名称はそれぞれの形から来ていて
広襟はそのものずばり、襟を折らずに広げて仕立て、
バチ襟は三味線の撥のような形、広襟の状態から
幅半分に折って縫い付け、襟先へ行くほど襟幅が広くなるような仕立て方、
棒襟は襟の中心(首の後ろに来る部分)から襟先まで同じ幅で縫ってあります。
男性の着物の仕立ては棒襟になっていますね。
バチ襟は、着付けの際に襟の幅を折ることなくそのまま着ることが出来るので
時短になるのですが、なんとなく味気ないというか
襟幅を好みや体形に合わせて調節することが出来ないので
私の場合、物足りないような気持がします。
母の時代の着物(昭和40年代、卒業式入学式が着物の花盛りだった頃)は
ほぼバチ襟仕立てになっていたような気がします。
さて、昨日着ていた着物、
冒頭で書いたようにバチ襟仕立てになっています。
↑これ、襟が半分の幅に折って縫い付けてあります。
で、その襟先なんですが
画像でわかるでしょうか?
八掛と同じ布で襟先から10㎝ほどの部分が開いてある仕立てになっているんです。
私の経験では、バチ襟の着物の襟先はそのまま台形のような裾広がりの形に
半分幅に折られて四角く縫い付けてあるものだと思っていたのです。
こういう形の仕立ては初めてでした。
実はこの江戸小紋は年末年始と帰省した際に実家から持ち帰ってきたもので
母が着ていたものだと思うのですが着ているところを見た記憶はありません。
浅はかな私は、襟先が開いた状態になっているこの着物を見て
(これって元は広襟だったものを着付時間の短縮のために後からバチ襟に仕立て直したのかも? 縫い目を解いてみたら広襟になるんじゃない?)
と考えました。
で、縫い目リッパーを持ち出して少し解いてみました。
↑ 画像がわかりにくいですね、途中から縫い付けてある部分を解いてみたんです。
少し糸を解いてみたら、
ありゃりゃ……
途中から八掛の布でつけられた裏地の終わりが見えてきて
あ……
表地の裏が見えてきてしまいました。
そのまま襟の縫い目を開いたら広襟に!
という私の目論見は外れてしまいました。
和裁の知識が何もない私なので
これ以上は触らず、プロにお任せして広襟に仕立て直してもらうことにします。
世の中、自分の思うようなことばかりはないなぁ、と
たかが着物の襟の事で、悟ったような気持になったことは内緒です(^-^;